エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.692
2018.10.30 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
実動テストセッションのオープニングは、Core i9-9900Kを使ってのパフォーマンステストだ。「Click BIOS 5」の定格動作に加えて、「GAME BOOST」機能を使ったオーバークロック状態でベンチマークを実行。そのパフォーマンスや消費電力、高負荷時におけるMOSFETヒートシンクの温度などをチェックしていこう。
なお、「GAME BOOST」で適用されたオーバークロックチューニングは各コアの動作倍率が1段回上げられた最大5.1GHz、オールコア4.8GHzに設定。その状態でコア電圧は1.25Vと若干厳しめなチューニングになっていた。実際、ストレステスト中に不安定になることもあったため、コア電圧は1.35Vまで昇圧してテストを行っている。
「GAME BOOST」ボタンを押すと、適用されたオーバークロック設定。最大5.1GHz、オールコア4.8GHz動作と各コアのクロックが+100MHz(動作倍率が1段上昇)された |
まずはCPUのパフォーマンスを計測する「CINEBENCH R15」で、Core i9-9900Kの性能を引き出せているのか見ていこう。
Core i9-9900Kのパフォーマンスを存分に発揮。定格動作で2086cb、オールコア4.8GHz動作となる「GAME BOOST」時は2114cbを記録している。テストに使用した「MPG Z390 GAMING EDGE AC」は、BCLKが100.8MHz前後と高めなのに加え、「CINEBENCH R15」実行中のRing Clockが4,500~4,700MHzと高クロックで動作していたのが効いている。今回試したBIOS(UEFI)のバージョンでは、Ring Clockの動作設定がAutoでも、かなり攻めた設定になっているようだ。
続いてはストレステスト「OCCT 4.5.1」の「CPU:LINPACK」(64Bit、AVX、全論理コア)を 20分間実行した際の消費電力をチェックする。ワットチェッカーのWatts up? PROを使用して、システム全体の消費電力を計測した。
定格、オーバークロック時ともにCPUコアに1.35V近い電圧が出力されているため、消費電力は高めになっている。とくにCPUコア電圧1.35V固定かつ高クロック動作設定のオーバークロック状態では280.5Wという高消費電力を記録している。