エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.692
2018.10.30 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
テストセッションの最後は、消費電力や発熱が目立って増加する物理6コア以上のCPUを運用する上で、極めて重要となるMOSFETヒートシンクの冷却性能をチェックしていこう。消費電力と同じく、ストレステスト「OCCT」の「CPU:LINPACK」(64Bit、AVX、全論理コア)を実行した際の温度を、温度計とモニタリングツール「HWiNFO」の「MOS[°C]」で計測している。温度計は2個用意し、マザーボード上部側を「ヒートシンク1」、リアI/Oパネル側を「ヒートシンク2」としている。
ヒートシンクの表面温度は40℃台前半とまったく不安はない。また、マザーボード上のセンサー読みでは、定格67.5℃、オーバークロック69℃を計測。前世代マザーボードで6コア/12スレッドCPUを運用すると、MOSFET温度が90℃近くまで上昇する製品もあったことを考えれば、「MPG Z390 GAMING EDGE AC」装備のMOSFETヒートシンクは、その大きさに見合った冷却性能を発揮していると言えるだろう。
Intel Z390チップセット搭載モデルより刷新された、MSIマザーボードの各セグメント。「PERFORMANCE GAMING」に変わり性能とスタイリッシュな外観が特徴の「MPG」シリーズは、発売解禁初日から各フォームファクタが出揃う、MSIの主力と言っていい。
その中核を担うATXフォームファクタの「MPG Z390 GAMING EDGE AC」は、売価こそ2万円台前半ながら上位機種をうかがう充実の機能が目を引く。
デジタルPWMによる12フェーズ回路や2ブロック構成の大型MOSFETヒートシンクを装備。Intel Core 9000シリーズ上位モデルの搭載を想定した設計が見てとれる。さらに装甲仕様の「PCI-E Steel Armor」、「CNVi」スロットよるIEEE 802.11ac無線LANとBluetooth 5.0を備えるなど、特徴を並べるほどに優れたコストパフォーマンスが際立った。
デザインは決して派手ではないものの、PCの雰囲気をガラリと一変するLEDライティング機能「Mystic Light」に対応。ひとたび電源を投入すれば、鮮やかなイルミネーションを楽しめる。
ラインナップの中核を担う製品とあって、ターゲット層が欲しがる機能を詰め込んだ「MPG Z390 GAMING EDGE AC」は、多くのユーザーを満足させる”万能マザーボード”だった。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社