エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.694
2018.11.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
「インタラクティブUEFI」の「CPU Ratio」からコア倍率のみを調整する簡易チューニングを実施 |
テストセッションのラストは、「インタラクティブUEFI」からコア倍率を調整するだけの簡易チューニングで、Core i9-9900Kのクロックをどこまで引き上げることができるのか試してみた。
倍率51倍の「CPU-Z 1.86.0」 | 倍率53倍の「CPU-Z 1.86.0」 |
倍率51倍の5.10GHzまでは、OSの起動、ベンチマークとも問題なし。またOSの起動だけなら倍率53倍の5.30GHzまでクロックを引き上げることができた。また「CINEBENCH R15」の結果を確認すると、マルチコアテストでは約12%、定格時に最高5.00GHzまでクロックが上がるシングルコアテストでも約5%スコアがアップし、簡易的なチューニングとしては上々の結果。
続いて消費電力を確認するとアイドル時は約10W、高負荷時には約80Wも消費電力が増え、300Wを超える数値を計測。CPUの温度も95℃近くまで上昇しており、Core i9-9900Kで常用オーバークロックをするなら、冷却性能の高いCPUクーラーと「Z390 Phantom Gaming 9」のような、堅牢な電源回路を備えたマザーボードは必須条件になるだろう。
USB3.1 Gen.2と「CNVi」の対応という、比較的小幅な変更に留まる新チップセットIntel Z390。メーカー各社がIntel Z370マザーボードとの違いを出すのに苦労する中、いち早く2.5ギガビットLAN「Phantom Gaming 2.5 Gb/s LAN」を実装することで、差別化を果たした「Z390 Phantom Gaming 9」。
その性能を最大限に活かすには、それなりの環境を整える必要があるものの、レイテンシの短縮やサイズの小さいファイルの高速化など、従来のギガビットLAN環境でもその恩恵は確実に見られた。さらにCPUが8コア/16スレッドへと大幅に強化されたことで、これまでゲーム用と録画・ストリーミング用など、PCを分けていたユーザーの中には、この機会に1台に統合したいという人も少なくないはずだ。そういう向きには、メインストリーム向け最高峰となる4系統(有線×3/無線×1)のネットワークを搭載し、帯域を分散できる「Z390 Phantom Gaming 9」は、まさに最適な1枚になるだろう。
そして、ASRockがすべてのモデルに目標として掲げる同価格帯最高峰の電源回路や、豊富な機能を継承しつつ、他社に無い機能をいち早く取り入れることに成功した、新生ゲーミングマザーボード「Phantom Gaming」シリーズ。その完成度の高さを見るに、今後登場する新モデルにも期待ができそうだ。
協力:ASRock Incorporation