エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.699
2018.11.23 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 SPECIAL EDITION(型番:SA-RX590-8GD5N+/11289-01-20G) 市場想定売価税抜37,590円前後(発売中) 製品情報(アスク/SAPPHIRE) |
Radeon RX 500シリーズの最上位に位置づけられる「Radeon RX 590」。GPUコアには「Polaris 30」を採用 |
「Battlefield V」「HITMAN 2」「Fallout 76」など、ビックタイトルの発売にあわせるように投入されたAMDの最新GPU「Radeon RX 590」。アメリカでの市場想定売価は279ドルで、Radeon RX Vega 56やGeForce GTX 1070などのハイエンドGPUと、Radeon RX 580やGeForce GTX 1060 6GBといったミドルレンジGPUのちょうど中間にあたる、アッパーミドルクラスに位置づけられる製品だ。
Radeon RX Vega 56/GeForce GTX 1070とRadeon RX 580/GeForce GTX 1060 6GBの間にある、大きなギャップを埋めるべく投入されたRadeon RX 590 |
AMD製GPUでは初めて12nm FinFETを採用。プロセスの微細化により、ベースクロックは先代Radeon RX 580の1,257MHzから1,469MHz(+212MHz)へ、ブーストクロックは1,340MHzから1,545MHz(+205MHz)へ向上。AMDによればパフォーマンスは約10%引き上げられているという。
フルHD解像度をターゲットにしているRadeon RX 590。最高画質でも「PUBG」は60fps以上、「League of Legends」「Rainbow Six Siege」は120fps以上のフレームレートでゲームが可能という |
その他スペックに大きな変更はなく、コアマイクロアーキテクチャは第4世代「Graphics Core Next」(GCN)、ストリーミングプロセッサ数2,304基、テクスチャーユニット数144基、メモリ帯域は256bitで、GDDR5 8GBのビデオメモリを搭載する。
また、日本AMDは、Radeon RX 590の投入にあわせる形で、「BIOHAZARD RE:2」「Devil May Cry 5」「Tom Clancy’s Division 2」の最大3本のゲームクーポンがもらえる「Radeonゲームバンドルキャンペーン」を開催中だ。
これまでも同じようなキャンペーンは随時行われてきたが、今回のように話題の最新作が3本も揃うのはとても珍しい。Radeon RX 590搭載グラフィックスカードは、すべてのクーポンをもらえるため、その総額は約24,000円。これらのゲームを購入する予定なら、Radeon RX 590はコストパフォーマンス面でも魅力的な製品と言えるだろう。
最大で3本のゲームがもらえる「Radeonゲームバンドルキャンペーン」。応募受付は12月14日から。応募にはレシートの画像を送信する必要があるので大切に保管しておこう |
これまでも数多くのRadeonシリーズ搭載グラフィックスカードを手がけてきた、AMD陣営の老舗ブランドSAPPHIRE。その中でも、高い品質と信頼性により人気の「NITRO+」シリーズから投入されたのが、今回の主役である「NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 SPECIAL EDITION」だ。
これまで培ったノウハウを生かし、Radeonシリーズに最適化した基板設計や、高い耐久性・電源効率を兼ね備えた高品質コンポーネントで構成される6フェーズ電源回路を実装。また、VGAクーラーには、色鮮やかなメタリックブルーのカバーを備えた、静音・高冷却クーラー「Dual-X」クーラーを搭載する。
メタリックブルーのクーラーカバーが印象的な「NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 SPECIAL EDITION」。クーラー以外にもSAPPHIREの独自機能が詰め込まれている |
さらに、GPUの温度が低い場合にファンの回転を停止するセミファンレス機能「Intelligent Fan Control 3」や、ネジ1本で簡単にファンを着脱できる「Quick Connect」、LEDライティング機能「NITRO Glow」などのおなじみの機能を備える。
縦長のパッケージを採用する「NITRO+ RADEON RX 590 8G GDDR5 SPECIAL EDITION」。表面には謎のロボットが大きくデザインされていた |
そしてスペックを確認すると、ブーストクロックは定格から+15MHzの1,560MHz、メモリクロックは+400MHzの8,400MHzに引き上げたオーバークロック仕様。補助電源コネクタも8pinから8+6pinに増設され、あくまでも自己責任ながら、コア電圧を引き上げたさらなるチューニングも楽しめる。
また、Radeonシリーズでは、一般的なデュアルBIOS機能にも対応。基板上のスイッチを切り替えることで、GPUコアとメモリクロックをリファレンス相当に落として、静音・省電力化を図ることもできる。