エルミタ的「編集部で使ってみた」
2018.11.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ASUSが提唱する「TUF Gaming Alliance」。定義を今一度確認しておくと、PCの主要コンポーネントメーカーとのコラボレーションにより誕生したセグメントのひとつだ。エルミタでも今年4月にIn Win「101-TUF GAMING」、7月にCooler Master「MasterBox MB500 TUF Gaming Edition」を検証している。
検証を行ったIn Win「101-TUF GAMING」(左)とCooler Master「MasterBox MB500 TUF Gaming Edition」(右) |
ASUSの特設サイトを確認すると、賛同するのはいずれも自作PC業界では名だたるブランドばかり。PCケースを筆頭に、電源ユニット、冷却機器、メモリまで、TUF Gaming Allianceのデザインが施された製品は、じわじわと増殖を続けている。言うまでもなく、自作PC業界における巨大企業・ASUSが音頭を取ることで、単なる企画モノに留まることなく、戦略的かつ継続的なパートナーシップはこのまま定着する勢いだ。
さて、日本発の希有な自作PCパーツメーカーである株式会社サイズ(本社:千葉県松戸市)もまた”TUF Gaming Allianceファミリー”の一員に加わり、人気のCPUクーラー3機種をTUF Gaming Allianceデザインに変身させた。コラボレーションが想像しにくいメーカーの賛同は、筆者にとって意外なものであり、実に興味深い出来事だった。そこで今回はCPUクーラーの検証記事などしばしご協力いただく、株式会社サイズの開発担当S氏に、TUF Gaming Allianceについて話を聞きつつ、3つのTUF Gaming Alliance柄のCPUクーラーをご紹介しよう。
サイズがラインナップする「TUF Gaming Alliance」CPUクーラーは、「虎徹 Mark II TUF」(型番:SCKTT-2000TUF)と「超天 TUF」(型番:SCCT-1000TUF)の2モデル。加えて遅れること12月には「無限5 TUF」発売が予定されている。サイズによると、この3モデルでサイズTUFシリーズは完結するという。
サイズTUFシリーズのパッケージデザイン。「虎徹 Mark II TUF」は10月24日、「超天 TUF」は11月7日それぞれ国内市場での出荷が開始されている。なおグローバル市場でも販売が行われているそうだ |
パッケージはブラックとイエローの”TUF柄”でデザインされ、従来モデルとは明確に違いが分かるよう差別化を図った。サイズのCPUクーラー製品ではお馴染みの、吊り下げ陳列用のフック穴は設けられていない。
冒頭でも触れたとおり、やや意外とも言えるサイズのTUF Gaming Allianceモデルの誕生について経緯を聞いたところ、発端は日本法人のASUSからの提案だったという。これをサイズ台湾へ企画を持ちかけ、以降はASUS台湾本社とサイズ台湾で製品化に向けてのスケジュールが組まれた。これまで多くのTUF Gaming Alliance製品がリリースされているが、おおむね同様のパターンでTUF Gaming Allianceモデルがラインナップを増やしているようだ。とは言え、闇雲に”TUF柄”にするのではなく、ASUSのお眼鏡にかなった選ばれしPCパーツのみがTUF Gaming Allianceの一員になれるというワケだ。
ちなみに「虎徹 Mark II TUF」「超天 TUF」については、サイズ日本から台湾側にトップパネルのロゴプリントや、TUFファン等の仕様をリクエスト。コストパフォーマンスを維持しつつ、納期に見合った製品の完成を目指したという。他のラインナップ同様、従来品から性能面に関わる大幅な変更は加えられていない。ただし1点のみASUS側からの要望により、「超天 TUF」のリテンションが変更されている。