エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.700
2018.11.30 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
まずは「Sandra Titanium」の「メモリの帯域」と「メモリのレイテンシ」を使い、メモリそのものの性能をチェックしていこう。
メモリ帯域を確認すると、「整数メモリ帯域」が約19%、「浮動小数点メモリ帯域」は約18%スコアが向上し、ほぼメモリクロックに準ずる結果。またレイテンシも約15%削減されており、メモリ関連のベンチマークでは、オーバークロックメモリの効果はとても大きいことがわかる。
「アイドル時」のサーモグラフィ結果 | 「メモリのレイテンシ」実行時のサーモグラフィ結果 |
またヒートスプレッダの冷却効果を確認するため、「アイドル時」と「メモリのレイテンシ」実行時のサーモグラフィーを撮影してみたところ、表面温度にほとんど違いはなかった。これはDDR4メモリの動作電圧が低く、発熱が少ないためだと思われる。この結果から、DDR4メモリのヒートスプレッダは放熱性を高める効果もあるが、基板・メモリチップの保護やドレスアップの意味合いのほうが大きいと考えられる。
続いてレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」を使い、メモリクロックによるCPU性能と消費電力への影響を確認していこう。
シングルコアテストは4cb、マルチコアテストでは29cbスコアが向上した。いずれもその差は約2%で、CPUの処理速度が重要なベンチマークながら、性能への影響は確実にある。また消費電力はアイドル時が0.8W、高負荷時でも3.1Wでその差はわずか。オーバークロックメモリが必要とされるハイエンドPCにおいては、ほとんど誤差の範囲といって差し支えないだろう。