エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.702
2018.12.08 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次はグラフィックスカードを搭載してみたい。拡張カードの有効スペースは、公称450mmとされている。さて、搭載テストには長さ278.81mmのグラフィックスカードを用意。固定方法は極めてオーソドックスで、拡張スロット金具を2スロット分外し、固定に使われていたインチネジでネジ留めすればいい。
搭載テストに用意したのはASRock「Phantom Gaming X Radeon RX580 8G OC」。グラフィックスカードに2基の冷却ファンを搭載し、カード長は278.81mmとされる |
作業自体に問題はなく、当然ながらどこにも干渉せずにマウントができた。しかし拡張スロットの延長線上にある3.5インチシャドウベイまでは、残り約22mm程度。公称450mmの有効スペースとは少々計算が合わない。
どうやら開示されている数値は3.5インチシャドウベイユニットを取り外した状態での最大値で、実際には300mm程度になる。ハイエンド志向の大型VGAクーラーが搭載されたグラフィックスカードでも、300mm以内に収められているモデルが多い。一般的な構成では問題にならないが、もしウルトラハイエンドクラスのグラフィックスカードを搭載するなら、隣接する3.5インチシャドウベイとトレードオフの関係にある事を頭に入れておこう。
そびえ立つ3.5インチシャドウベイは圧巻だが、内部容積にやや狭さを感じさせる部分が拡張カードの居住スペースだ。構成パーツをチョイスする段階で注意すべきポイントと言える |
ボトムマウントの電源ユニットには、Antec「HCG750 GOLD」(80PLUS GOLD認証/750W)を用意した。簡単に紹介しておくと、自動回転数制御対応120mm口径静音ファンを搭載。10年保証付きのフルモジュラー式電源ユニットだ。なお奥行きは140mmのコンパクトな設計から、多くのPCケースと組み合わせがし易い。なお「P101 Silent」では、奥行き290mmまでの電源ユニットが搭載可能。余ったケーブル類を収めておけるほど、空きスペースが確保できる計算だ。
搭載方法は、背面に2本のハンドスクリューで固定された枠を外し、電源ユニットの背面をインチネジで固定。これを搭載スペースに収めればいい。設計上ボトムカバーの取り外しが想定されておらず、さらに右側面の開口部が狭いため、インストールは背面から行う方法が選択されている。
実はモジュラー式電源ユニットにとって、このスタイルは都合が良い。背面2本のハンドスクリューを外せば、スルスルと後方へボディを引き出す事ができるため、広いスペースでコネクタの抜き挿しができる。ちなみにこの手法は、比較的搭載スペースが狭いPCケースに使われる手法だが、メリットは大きい。
ストレージ収納部についても触れておこう。最大8台の3.5インチHDDまたは2.5インチSSDが搭載できるシャドウベイユニット。前者はツールフリー、後者はネジ留めでそれぞれ固定する事になる。
まずは両サイドをつまみ、ABS樹脂製の専用トレイを手前に引き出す。両側面にはピンが備え付けられ、3.5インチHDDのネジ穴にかみ合わせて固定すればいい。コネクタ向きはマザーボードトレイ側で、右側面からケーブルを接続する事になる。つまりストレージの搭載には両サイドパネルを取り外す必要があるわけだ。一方、2.5インチHDDは、底面4つの穴を使い、ミリネジで固定する。コネクタはの向きは3.5インチHDDと同様。固定が完了すれば、専用トレイをロックが掛かる元の位置に戻せばいい。
搭載方法の異なる3.5インチHDDと2.5インチSSDだが、固定は一般的なPCケースと同様。マニュアルを見ることなく作業ができる |
コネクタはマザーボードトレイ側に向くため、ケーブルの抜き挿しは右側面から行う。なお裏配線スペースは公称・実測共に25mm。ケーブルの取り回しには十分だが、SATAケーブルコネクタサイズによっては多少タイトになる。コネクタ部がマザーボードトレイよりも奥に位置するため、一般的なサイズのL字コネクタは使用できない。標準的ストレートタイプのコネクタで、できる限りショートタイプを選びたい |
2.5インチSSDが搭載できるもうひとつのスペースが、CPUクーラーメンテナンスホール下にある専用ブラケットだ。構造は実にシンプルで、上部のハンドスクリューを緩めてブラケットをシャーシから外し、2.5インチSSDを背面からネジ留めすればいい。なおコネクタ位置は下向きになるよう固定する事になる。
実測で幅60mm高さ15mmのスルーホールを活用し、ケーブルを接続すると見栄えもいい。なおマザーボードトレイにベタ置き状態になるため、SATAコネクタはストレートタイプのみ使用可能だ |