エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.704
2018.12.22 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
マザーボードに用意されているプリセットでは、最も静音志向の「Silent」でも50℃前半で頭打ちとなるなど、まだまだ冷却性能に余力がある「LIQTECH TR4 II 360」。そこで最後に回転数を「Silent」のアイドル時と同じ30%(700rpm前後)に固定した、超静音動作による冷却性能を試してみることにした。
「FAN-Tastic Tuning」を使い、回転数を常に30%に固定した状態でテストを実施 |
アイドル時の温度は、当然ながら「Silent」のプリセットとほぼ同じ。また高負荷時は、Ryzen Threadripper 1950Xが+11.1℃の57.8℃、Ryzen Threadripper 2990WXでも+9℃の61.8℃までしか上がらなかった。公称最大温度の68℃にはまだ余裕があり、実際にテスト中もサーマルスロットリングによる動作クロックの低下は見られなかった。「LIQTECH TR4 II 360」を使えば、TDP250WのRyzen Threadripper WXシリーズの性能を損なうことなく、超静音PCを組み上げることができる。
ウォーターブロックに、アドレサブルRGB LEDによるイルミネーション機能を搭載するENERMAX「LIQTECH TR4 II」。光沢仕上げの美しいアクリルカバーと相まって、強化ガラスサイドパネルや窓付きサイドパネルのPCケースと組み合わせれば、ケース内部を印象的にドレスアップすることができる。
そして主たる冷却性能については、TDP180Wの初代Ryzen Threadripper 1950Xはもちろん、圧倒的なコア数と引き換えに、実に70WもTDPが増加したRyzen Threadripper 2990WXでも回転数30%の超静音動作を可能にするなど、まさに圧巻の冷却性能を発揮した。さらに専用モデルだけに取り付けも容易で、ラジエターのスペースさえ確保できれば、簡単に搭載できるのも評価できるポイントだ。
リテールクーラーが存在しないRyzen Threadripperシリーズ。最近では水冷・空冷問わずサードパーティの対応製品が増えているが、その中から1台をチョイスするにあたり、視覚的に洗練され、冷却性能と静音性に優れる「LIQTECH TR4 II 360」は、多くの自作派を満足させることができるだろう。
協力:株式会社クーラージャイアント