エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.705
2018.12.24 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
GIGABYTEのIntel Z390搭載マザーボードのコンセプトは、“Core i9の全コア5GHz+安定動作”であることは冒頭触れた通り。そこで今回は、ベンチマークテストの前にチューニングユーティリティ「Easy Tune」を使用して、Core i9-9900Kのクロックを全コア5GHzに固定、その性能差を確かめてみることにした。なお、単にクロックを上げただけでは動作が不安定になってしまうため、コア電圧を1.45Vまで昇圧してテストを行っている。
ワンタッチの簡易OCも可能な「Easy Tune」だが、今回は全コアのクロックを5GHzに揃える関係上、「Advanced CPU OC」メニューから設定を行った |
高負荷時には、すべてのコアが5GHz動作を達成。昇圧により動作が不安定になることはなかった。なお、やはりアイドル時にはクロックが800MHz前後まで低下していた |
それでは手始めに、レンダリング系ベンチマークテストの「CINEBENCH R15」を動作させ、CPUパフォーマンスをチェックしよう。
コアによっては最大で300MHzのクロック上昇となった全コア5GHz動作では、マルチコアで約9%ほどのスコア向上が確認できた。GIGABYTEが掲げる“Core i9の全コア5GHz+安定動作”をたやすく達成、これもマザーボードの信頼性があってこそだ。
続いては、CPUとグラフィックスに大きな負荷がかかる3Dベンチマークテストの大定番「3DMark」を動作させ、挙動の違いを確かめてみよう。DirectX 11環境のテストである「Fire Strike」とDirectX 12環境の「Time Spy」において、それぞれ最も高負荷なプリセットを選択し、計測を行った。
グラフィックスが大きな意味をもつテストだけに、総合スコアはそれほど大きな差がつかなかった。その一方でCPU性能を比べる項目では、「Fire Strike」におけるPhysics scoreで約5%、「Time Spy」におけるCPU scoreで約7%と、十分な性能差が表れている。あとひと押しのパフォーマンスアップが欲しい時に、手軽にオーバークロックで性能をかさ上げできる余地があるのは嬉しい。
次は実際のゲーミングシーンを想定し、オンラインゲームの人気タイトルである「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のベンチマークを動かしてみよう。描画品質は“最高品質”で、解像度は1,920×1,080ドットと3,840×2,160ドットの2パターンで計測した。
負荷の軽いフルHD環境ではスコア差が2%程度と変わらないが、より高負荷な4K解像度では差が拡大。6%以上のスコア差として表れている。重量級ゲームでもう少しパフォーマンスが欲しい、あるいは一段上のリッチな品質でプレイしたい、という向きには、負荷が大きいほどクロック上昇の恩恵を受けることができるハズだ。