エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.706
2018.12.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi
ここからはベンチマークテストと並行して計測していた、Core i9-9900Kの温度状態を確認していく。定番CPUクーラーのサイズ「虎徹 MarkⅡ」はどの程度の冷却パフォーマンスを発揮するのか。テストは「CINEBENCH R15」マルチコア計測中の様子と、実シーンを想定して「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」を実施。「HWmonitor」で計測した(検証室内温度21℃)。
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アイドル時(起動後30分間放置)で35℃、「CINEBENCH R15」実行中では最大84℃まで上昇。「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」実行中は80℃前後で推移していた。より冷却性能を求めるなら、オールインワン⽔冷ユニットへのカスタマイズがオススメだ。
続いてASUSのGeForce GTX 1070 Ti搭載モデル「TURBO-GTX1070TI-8G」の温度もチェックしておこう。「3DMark」と「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」ベンチマーク実行時の最高温度を計測した(検証室内温度21℃)。
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アイドル時の温度は33℃。「3DMark」で最大82℃、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」で最大81℃という結果。70mm口径のブロワーファンを1基搭載する外排気型のVGAクーラーだが、しっかり冷却されている。ただし、低負荷時にファンが停止するセミファンレス機能はないため、静音にこだわる人はカスタマイズを検討するといいだろう。
テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認していこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「CINEBENCH R15」と「3DMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」ベンチマーク実行時はそれぞれのベンチマーク実行中で最も高い値を記載した。
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アイドル時は36.1Wと非常に低い。そして、CPUへの負荷が上がる「CINEBENCH R15」では240W、グラフィックスカードへの負荷が上がる「3DMark」では248W、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」では276Wとそれなりに上昇している。
「SR-ii9-8862H/S5/GL/W10」では電源ユニットにSilverStone「ST60F-ESB」(80PLUS BLONZE/600W)が採用されている。ストレージ追加程度なら問題ないが、将来的にグラフィックスカードをGeForce RTX 20シリーズにアップグレードする場合は750W以上の電源ユニットを選択するといい。
今回検証を行った「SR-ii9-8862H/S5/GL/W10」は、パソコンショップSEVENの豊富なラインナップの中でも、売れ筋モデルのひとつだ。CPUにIntel Core i9-9900Kを採用するあたり、最新かつ最上位のスペックを備えるフラッグシップとしての素質を十分持ち合わせている。一方でグラフィックスカードにはNVIDIA GeForce GTX 1070 Tiが選択され、決してハイエンドだけを前面に押し出してはいない。
何よりPCケースにZALMAN「Z9 Neo」を使うあたり、パソコンショップSEVENの個性が感じられる。2015年末に発売されたロングセラーは、カスタマイズ項目の中でも人気があり、事務所内の在庫フロアでは、たくさんのストックを目の当たりにした。
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「最初に提案するものとしては、こだわりが強すぎない、バランスを重視した押し付けがましくない構成が基本」(2018年9月インタビュー)と西川社長は話す。パソコンショップSEVENを選択するユーザーは、たくさんの選択肢から目的や予算に見合うPCを、自由にカスタマイズして楽しむ事が前提であり、「SR-ii9-8862H/S5/GL/W10」はそのベースとなるほんの一例に過ぎない事が分かる。
実店舗を持たない通販専用のパソコンショップは、大型店舗にも負けない幅広いラインナップと、カスタマイズによる何通りもの組み合わせで、BTO(Build To Order)を存分に楽しむ事ができる。分からない事があれば、気軽に相談すればいい。豊富な実績のあるスタッフが親身になって応えてくれるだろう。
協力:株式会社セブンアールジャパン