エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.708
2018.12.30 更新
文:テクニカルライター・藤⽥ 忠/編集・池西 樹
テストセッションのラストは、オリジナルデュアルファンクーラーの実力を検証していこう。GPU温度はOS起動後10分経過した際をアイドル時、「Time Spy」のストレステスト実行中の最大値を高負荷時として採用している(室温18℃前後/バラック状態)。
またファンノイズは、出力インターフェイスから約15cm離れた場所に測定器を設置。2つのファンがいずれも900rpmになるアイドル時、そしてゲームプレイ中に推移した回転数の1,500rpm(40%)、1,680rpm(45%)、1,870rpm(50%)の計4種類で計測を行っている。
常時回転するデュアルファンに加え、大型のヒートシンクや、基板両面を覆うメタルプレートで構成されたオリジナルクーラーの冷却性能は高く、アイドル時は30℃以下、ストレステスト実行時でも60℃前半を維持していた。さらに動作音に関しても優秀で常時回転ながら、アイドル時は32.6dBAとバラック状態でも気にならないレベル。さすがに1,800rpmを超えると41.2dBAに達し、多少回転音が耳につくが、PCケースに収めてしまえば気になることはないだろう。
MSIの「GeForce RTX 20」シリーズと言えば、LEDイルミネーションを搭載する大型の3連ファンクーラーとオリジナル基板を組み合わせた「GAMING TRIO」シリーズが人気だが、300mmを超えるカード長がネックになっている人もいることだろう。
その点、今回検証した「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」のカード長は268mmに抑えられており、ミドルレンジ以上のモデルとしては標準的なサイズ。RAIJINTEK「OPHION」のようなMini-ITX専用モデルにも搭載ができるなど、PCケースの選択肢は格段に広がった。
また、基板デザインがリファレンスモデルとほぼ同じである点にも注目したい。一部コネクタの違いがあるため、互換リストのチェックは必要だが、リファレンス専用ウォーターブロックがそのまま流用できる可能性が高い。水冷化を検討しているユーザーにとっては、カスタム用としてもオススメだ。
「GeForce RTX 20」シリーズをコンパクトPCで使う場合、選択肢の多くはGeForce RTX 2070を搭載した製品になるが、「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」なら1ランク上のパフォーマンスを実現できる |
そして、4Kの高解像度液晶や、高リフレッシュレート液晶を組み合わせた場合でも、快適にゲームプレイができる高い性能と、オーバークロック時でも十分な冷却性能・静音性を併せ持つ「GeForce RTX 2080 VENTUS 8G OC」は、サイズと性能のバランスが取れた秀作グラフィックスカードだった。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社