エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.713
2019.01.22 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
いざ基板からクーラーを引き剥がし、カバーも取り去ってその構造を確かめてみることに |
続いては、「AORUS RTX 2070 XTREME」自慢の高冷却クーラー「WINDFORCE Stack 3X」の構造を詳しく見ていこう。
まずカバーを取り去ると、重なり合うように配置された100mm口径の3連ファンがよく確認できる。ブレードの形状を工夫することで省スペースな配置が可能になり、カードの全長が抑えられているというワケだ。また、左右と中央のファンを逆向きに回転させる「Alternate Spinning Design」により、乱気流の少ない滑らかな気流を生み出している。「3D Active Fan」によるセミファンレス動作にも対応しており、低負荷時にはファンを停止、騒音を抑える仕様だ。
3スロット占有の分厚さがあり、100mm口径のファンを3つも搭載する「WINDFORCE Stack 3X」は、まさに空冷では最高峰のクーラーといえる |
3基の冷却ファンは、左右と中央で段差のある立体的配置を採用。ブレードの干渉部分を削ることで、“Stack”の名の通り重なり合った状態で実装できるようになった。なお、3基それぞれにRGB LEDが内蔵されていることが分かる |
今度はクーラーを裏返し、巨大なヒートシンクをチェックする。どのように熱を吸い上げ、全身に伝えているのだろうか |
厚みのあるヒートシンクは、大型ベースではなくヒートパイプがGPUコアに直接接触するヒートパイプダイレクトタッチ方式を採用。そのヒートパイプには、複合素材や液冷を組み合わせた「Composite Heat-Pipes」を用いて熱伝導率を高めている。
そしてヒートシンク本体は「Angular Fin Design」と呼称される異なる角度のフィンを組み合わせた構造。整流効果を高めて冷却性能を向上させるとともに、無駄なく冷やすことで騒音レベルも抑えられる。
ベース部分は、一体型の大型ベースではなくヒートパイプダイレクトタッチ方式が採用された。周辺コンポーネントもまとめて冷却できる設計になっている |
複数の素材を組み合わせて熱伝導率を高めた「Composite Heat-Pipes」は、合計5本がヒートシンクを貫く。なお、電源回路もサーマルパッドでベース部分と接触、効率よく冷却が行われる |
基板に実装された構造物に合わせて、フィンの末端部分はやや不規則な形状をしている。ちなみにヒートシンクのフィンは、異なる形状のフィンを組み合わせ、エアの流速を稼ぐ設計だ |