エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.714
2019.01.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ASRock「DeskMini A300」(型番:DeskMini A300/B/BB/BOX/JP) 市場想定売価税抜18,480円(2019年2月8日発売予定) 製品情報(ASRock) |
Mini-ITXよりもさらに小さい、わずか5インチ(約127mm)サイズのMini-STXフォームファクタに対応する、ASRockの超小型ベアボーンキット「DeskMini」シリーズ。これまで第6/7世代Coreシリーズに対応する「DeskMini 110」と、第8世代Coreシリーズに対応する「DeskMini 310」の2モデルが投入されている。いずれもTDP65Wまでのデスクトップ版CPUが搭載できることから、プロセッサの性能は優秀な一方で、内蔵グラフィックスの性能にはやや不満が残るという人もいたことだろう。
Mini-STXフォームファクタでは初めてAMD Socket AM4に対応する「DeskMini A300」。Raven Ridgeこと、Ryzen 2000Gシリーズを組み合わせることで、グラフィックス性能を大幅に高めることができる |
そんな欠点を解消すべく、登場したのが今回の主役である「DeskMini A300」だ。Mini-STXフォームファクタでは初のAMD Socket AM4対応モデルで、プロセッサはRyzen 2000Gシリーズを筆頭にしたRaven Ridgeまたは、AシリーズことBristol RidgeのAPUをサポートする。特にRyzen 2000Gシリーズは、GPUコアにAMD最新の「Vega」アーキテクチャを採用しており、内蔵グラフィックスながらエントリークラスのグラフィックカードを凌駕する性能を発揮する。これは、グラフィックスカードを増設できないMini-STXベアボーンキットにとって、とても大きなメリットだ。
グラフィックスカードを増設できないため、残念ながらSummit Ridge/Pinnacle Ridgeには非対応。現状CPUコアの最高は4コア/8スレッドまでになる |
筐体はこれまでと同じ、容量1.92リットルのメタルシャーシで、チップセットは「A300」を採用。メモリスロットはDDR4-SODIMM×2(最大32GB)、ストレージは専用ケーブルを使用するSATA3.0(6Gbps)×2(RAID 0/1対応)と、「Ultra M.2」×2を備え、コンパクトサイズながら2.5インチドライブ×2とM.2 SSD×2の計4台を搭載できる。
チップセット「A300」は、APUの内部コントローラにUSB、ストレージなどが接続されるため、基板上に別途チップは実装されていない。またレベルは0/1に限定されるが、このサイズでRAID環境を構築できるのは嬉しい |
そして、従来モデルと同じくインターフェイス類も充実している。ディスプレイ出力は、DisplayPort×1、HDMI×1、D-Sub×1の3系統を備え、内蔵グラフィックスによるトリプルディスプレイに対応。USBはUSB3.1 Gen.1 Type-C×1、USB3.1 Gen.1 Type-A×2、USB2.0×1の計4ポートで、ネットワークはギガビットLAN×1を備える。なおワイヤレスカード用のM.2 2230スロットも実装され、オプションのワイヤレスキット「AC-3168 Wi-Fiキット」を使えば、IEEE 802.11ac無線LANとBluetooth機能を追加することができる。
国内モデルには「AM4 CPU Cooler」が付属するため、別途対応CPUクーラーを用意する必要はない |
「AC-3168 Wi-Fiキット」を購入すればIEEE 802.11ac無線LANとBluetooth機能を追加できる |
電源ユニットは120W(19V)のACアダプタ駆動で、CPUクーラーは全高46mmまでサポート。なお国内モデルには本来オプションである「AM4 CPU Cooler」が標準で付属するため、別途クーラーを用意する必要はない。
「AM4 CPU Cooler」と「AC-3168 Wi-Fiキット」の他、「Rear Audio Cable」「VESA Mount」「USB 2.0 Cable」のオプションが用意されている |