エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.714
2019.01.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ラストは70×70×15mmのファンを搭載する薄型CPUクーラー「AM4 CPU Cooler」の実力を検証する |
テストセッションのラストは、国内版「DeskMini A300」に付属するCPUクーラー「AM4 CPU Cooler」の性能を確認していこう。アイドル時は起動直後10分間何もせず放置した際の最低値、高負荷時はCPU/GPUの両方に負荷を掛けるストレステスト「OCCT 4.5.1:POWER SUPPLY」実行時の最大値を採用した。なおアイドル時の消費電力は15.4W、高負荷時の消費電力は90.4Wだった。
現時点で「DeskMini A300」が対応する最上位プロセッサRyzen 5 2400Gを使用したテストだが、CPUの温度はおおむね79℃前後で推移し、一度も80℃を超えることはなかった。公称最大温度95℃までは15℃以上の余裕があり、「AM4 CPU Cooler」は十分な冷却性能を備えていると言っていいだろう。
またファンの回転数を確認するとアイドル時で2,050rpm前後、高負荷時は2,550rpm前後でその差は約500rpm。騒音値はアイドル時の37.5dBAに対して、高負荷時でも+1.6dBAの39.1dBAまでしか上がらず、静音性も良好だった。ちなみに今回はデスク上において各種テストを実施していたが、ノイズが気になることはなかったことを付け加えておく。
デスクトップCPUが搭載できるというメリットを活かしたまま、Ryzenシリーズへの対応を果たした「DeskMini A300」。Summit Ridge/Pinnacle Ridgeなどの内蔵グラフィックス非搭載モデルが使えないため、CPUコアは最高4コア/8スレッドに制限されるものの、一般的な用途であれば十分なパフォーマンスを発揮する。さらに内蔵GPU Radeon Vegaのおかげで、グラフィックス性能は大きく向上し、一部の重量級タイトルを除けばゲームも十分に楽しむことができるようになった。
そして「DeskMini 110」や「DeskMini 310」では非対応だった、トリプルディスプレイや最大4台のストレージ対応、RAIDドライブの構築など拡張性も改善され、タワー型のデスクトップPCと比較しても見劣りする部分はほとんどなくなっている。
機能面で強化されたこと、さらにCPUクーラーが付属することもあり、価格は若干上がったもののPCケース、マザーボード、電源がセットになって税込20,000円弱はかなりお手頃。小型PC好きなら購入をためらう理由が見当たらない。
協力:ASRock Incorporation