エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.715
2019.01.31 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
電源ユニット搭載テストには、GAMDIAS「ASTRAPE P1-650G」をチョイスした。このセッションで最も重要なのは奥行きで、135mm口径ファンを実装する事からやや長めの163mm。「TALOS P1」の公称有効スペースは奥行き220mmとされている事から、計算上57mmの空きスペースが確保できるはずだ。
「ASTRAPE P1-650G」はRGB LEDファンを搭載する、80PLUS GOLD認証電源ユニット。フルモジュラータイプで、必要なケーブルだけを接続して使用する。100%日本メーカー製コンデンサを使用し、高品質を謳う |
固定式ボトムカバー(シュラウド)の存在から、電源ユニット本体のインストールは右側面の開口部から行う。シャーシへの固定自体は一般的な背面ネジ留め式で、電源ユニット付属のインチネジを使用。ボトムカバーの高さは出し入れに支障がない範囲で設計されているため、特に問題無く固定ができた。なお隣接するシャドウベイユニットまでの距離(空きスペース)は実測で約55mm強は確保できている。余ったケーブルを置くほどのスペースは無いものの、奥行き160mm前後がこのPCケースでは適正のサイズと言えそうだ。
シャドウベイユニットまでは約55mm強。左サイド側に近いモジュラーコネクタの抜き挿しはややタイトになるため、電源ユニット自体をシャーシに固定する前に、必要なケーブルは接続しておこう |
筐体内部容積を考慮すれば、水冷ユニットはオールインワンタイプ(簡易型)がいいだろう。そこでGAMDIASがラインナップする360mmサイズラジエターモデル「CHIONE P1A 360R」を用意。搭載テストを試みた。
GAMDIAS「CHOINE P1A 360R」・・・搭載テストに用意したのは、2018年11月より国内市場で販売が開始された360mmサイズラジエター採用の簡易水冷ユニット。55種類のLEDイルミネーション機能を搭載した120mm口径ファン3基を備える。市場想定売価は税抜17,800円 |
おさらいすると、120mm口径ファン3基が搭載できる360mmサイズラジエターは、フロントまたはトップにマウント可能。ただしフロントには既に「Rainbow Color RGBファン」が3基搭載されているため、トップ面を使う事にした。
フロント標準ファンとラジエター搭載ファンに合わせ、リアの増設スペースにも120mm口径ファンを装着。CPUソケット周りはGAMDIASブランドフル装備といった様相 |
実際に作業を行って気が付いたのは、マザーボードの設計によりかなりタイトになること。ATXマザーボードの上端からトップ面までは実測約58mmが確保されているため、十分に思える。ただし筐体幅が215mmと思いの外スリムだけに、「ROG STRIX H370-F GAMING」の特徴である「プリマウントI/Oシールド」の上部が25mm厚冷却ファンを備えたラジエターの左端に干渉を起こしてしまった。今回はマザーボードの固定を一旦緩めるなど微調節で収めたが、構成パーツによってはフロント部に取り付けるなど、柔軟に対応した方がよさそうだ。
2019年に入り3台目となるPCケースレビュー。今年もRGB LEDでドレスアップした魅せるPCケースを数多く扱っていく事になりそうだ。たくさんのイルミネーションデバイスで着飾るとそれに比例し、筐体内部にはケーブルが縦横無尽に行き交うことになる。電源供給や発光アクションなどを一括で賄うハブの存在は有り難く、余計な出費を抑える事もできる。
出費と言えば、RGB LEDファンをはじめ、発光アクセサリは決して安くない。せっかく魅せるPCを作るなら、あれもこれもと欲しくなる。拡張性の高いPCケースならなおさら、空きスペースを埋めたくなるのが自作派の心情だろう。
GAMDIAS「TALOS P1」は、4面強化ガラスを採用した”紛れもなく魅せるPC構築のベース筐体”だ。執筆時点の実勢価格税込20,000円前後は一見、やや高価に感じるかもしれない。しかし標準装備品が思いの外豪華だ。フロントには3基の「Rainbow Color RGBファン」、フロントおよびトップ両サイドには合計4本のLEDストリップが埋め込まれ、ハブを介してイルミネーションが即楽しめる。
国内自作市場におけるGAMDIASブランドの知名度は決して高くない。しかし「TALOS P1」をきっかけに、周辺パーツのラインナップを今一度見直して欲しい。統一感のあるPCが比較的”お買い得”に構築できるはずだ。今後の展開にも注目しよう。
協力:株式会社アユート
GAMDIAS technology