エルミタ的一点突破 Vol.49
2019.02.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕/池西 樹(テストセッション)
ここからは評価サンプルをパッケージから取り出し、「大手裏剣参」の外観デザインからヒートシンク、冷却ファンまで個別に詳細をチェックしていこう。
全高わずか69mmに抑えたロープロファイルスタイル。それでも受熱ベース、ヒートパイプ、アルミニウム製放熱フィン(ヒートシンク)、冷却ファンと、大型CPUクーラーと同じ部品構成で成形されている |
リテンションは初代がプッシュピン、2代目がバックプレート式、そして3代目は「ブリッジ式リテンション」(スプリングスクリュー)へと進化を果たした |
ヒートシンクは総数68枚のアルミニウム製放熱フィンで構成。薄型放熱フィンを幾層にも重ねる設計は、サイズオリジナルCPUクーラーが得意とする手法で、表面積をできる限り稼ぐセオリー通りのスタイルと言える。
ヒートシンクはブリッジ式リテンションのスプリングスクリュー部をカット。受熱ベースの”意図した位置関係”がよく分かる |
ヒートシンク先代、先々代には無かったコの字の枠が「参」の特徴。冷却ファンのマウント方法がワイヤークリップ式からネジ留め式に変更。ネジを固定する台座の役割を果たす |
前作からの大きな変更点と言えば、受熱ベース部だ。「大手裏剣参」では、多くのサイズオリジナルCPUクーラーが採用する「高密度ベース構造」を採用。接続されるヒートパイプとの密着率を高める”掘り込み式”になった。ちなみにφ6mmのヒートパイプは5本構成。エルミタではお馴染みのサイズ開発担当S氏によると、開発段階では6本だったものを、周辺コンポーネントとの物理的干渉を避けるオフセットを考慮するにあたり、製品版では5本に落ちついたという。
高密度ベース構造は、φ6mmヒートパイプを掘り込み式で密着。実測約10mmと3mmのプレートにサンドイッチされる形で5本のヒートパイプが固定されている |
腐食防止効果のあるメッキ処理、さらに受熱ベース部は鏡面仕上げが特徴。見た目も美しく工作精度の高さが窺える |
真横から観察すると、ヒートパイプの流れと放熱フィンに対する”熱拡散”の設計思想が見て取れる |