エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.720
2019.02.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
CPUパフォーマンスを測るベンチマークテストの定番として、レンダリング系ベンチの「CINEBENCH R15」を動作させる。新型ミドルレンジCPU「Core i5-9400F」の基本的な性能をチェックしてみよう。
物理6コアのみの構成ながら、マルチコアは1000cbをうかがう優秀なスコア。シングルコアも動作クロック相応で、中堅ゲーミングマシンのCPUとして十分な性能を持っているようだ。
「CINEBENCH R15」の動作中におけるシステムの挙動も合わせてチェックしておく。ごく一般的なサイドフロー型CPUクーラーを用いたCPU冷却、さらにマザーボード上のVRMの温度変化はどの程度だろうか。「HWMonitor」を使用し、簡易的にそれぞれの温度変化を追ってみよう。
「Core i5-9400F」は高負荷時でも温度上昇は大人しく、長時間稼働でも無理のない動作が可能だ。オーバークロックに対応しないIntel B365マザーボードとの相性もよく、価格帯としても良好な組み合わせといえる。
また、VRM温度も低く抑えられており、負荷を分散させる「B365M Phantom Gaming 4」の8フェーズ電源設計がうまく作用しているようだ。サイドフロークーラーの風を利用できるVRMヒートシンクの配置も好材料といえる。
Intel 300シリーズの新しい仲間として、やや唐突に登場した感のあるB365チップセット。ただしPCI-Expressレーン数が上位チップ並に増え、M.2が2スロット使用できるなど、従来のB360に比べてメリットは大きい。そしてそれを搭載する「B365M Phantom Gaming 4」は、価格面での競争力も高いモデル。新たなエントリークラスのゲーミングマザーボードとして、市場にインパクトを与えられる存在だ。
クラス最高レベルの8フェーズ回路を搭載した電源周りは、ASRock自慢の「Super Alloy」に準拠した高品質コンポーネントで構成される贅沢な仕様。さらに高湿耐性をもつ基板や電気特性を改善させたメモリ回路など、いずれも低価格モデルとは思えない信頼性への力の入れようだ。
また、低遅延かつ低負荷なIntel NICや標準で備えるM.2用ヒートシンク、重量級カードに耐える装甲スロット、RGBライティングといった、欲しい装備は一通り網羅。USB3.1 Gen.2に対応しない点などごく一部に目をつむれば、ここまでコストパフォーマンスに優れたゲーミング向けのMicroATXモデルは少ないだろう。
グラフィックスカードは1枚挿しでオーバークロックもしない、そして出来るだけ安価にIntel Core 9000シリーズを使いたい。そうしたカジュアルユーザーにとっては、ぜひとも選択肢に加えたい1枚だ。
協力:ASRock Incorporation