エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.722
2019.03.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
MSI「GeForce RTX 2080 Ti GAMING X TRIO」 実勢価格税込180,000円前後(2018年9月27日発売) 製品情報(MSI) |
複数枚のグラフィックスカードを並列処理させて性能を引き上げる、NVIDIAのマルチGPU技術「Scalable Link Interface」(SLI)。これまで、Single Linkの「SLI」、Dual Linkで高クロック化を果たした「SLI HB」と世代を重ねてきたが、GeForce RTX 20シリーズでは、従来から転送帯域幅を50倍に拡張したNVLinkを使用する「NVLink SLI」へとアップグレードされた。
「NVLink SLI」では、ブリッジコネクタの形状も変わり、「SLI」や「SLI HB」のブリッジは使用できなくなった |
ちなみにNVLinkによるマルチGPU技術は、データセンター向けのTeslaやプロフェッショナル向けQuadroでも導入されているが、GeForce RTX 20シリーズでは接続インターフェイスとしての利用に留まり、メモリやCUDAコアを統合し、1つのGPUとして扱うことはできない。一方で、ソフトウェア的な互換性は維持されているため、「SLI」対応ゲームは「NVLink SLI」でもそのまま使用することができるようになっている。
なお「NVLink SLI」をサポートするのは、GeForce RTX 2080以上のハイエンドモデルで、グラフィックスカードも2枚までの2-Wayに制限されている。
今回の検証で使用する「GeForce RTX 2080 Ti GAMING X TRIO」は、GPUにNVIDIA GeForce RTX 2080 Tiを採用するハイエンドグラフィックスカードだ。
ブラックとグレーでカラーリングされた「GeForce RTX 2080 Ti GAMING X TRIO」。裏面にはブラッシュ仕上げのアルミニウム製バックプレートを搭載する |
MSI「GAMING TRIO」シリーズに属する製品で、VGAクーラーには「Mystic Light Sync」対応のライティング機能を備えた、静音・高冷却の大型3連ファンクーラー「TRI-FROZR」を搭載。冷却ファンには、風量と静圧を高めた「TORXファン3.0」が採用され、MSIおなじみのセミファンレス機能「Zero Frozr」にも対応する。
電源回路を強化したオリジナル基板を採用。「GeForce RTX 2080 Ti GAMING X TRIO」のブーストクロックは、出荷時設定でもかなり高めだが、さらなるオーバークロックにも期待ができる |
また基板も完全オリジナル設計で、電源回路はリファレンスを上回る14+3フェーズ構成。補助電源コネクタは8pin×2、6pin×1の3系統を備え、表面には基板の保護に加え、メモリモジュールや電源回路の冷却効果もある保護プレート「ダイキャストメタルシート」を搭載する。さらに安定性を高めるため、PCBのレイヤー数もリファレンスモデルから増やされているという。
実測402×268×90mmの大型パッケージを採用。なお製品にはカードの歪みを防止する「VGAサポーター」が付属する |
主なスペックは、コアブーストクロックが1,755MHz(リファレンス1,545MHz/Founders Edition1,635MHz)、メモリスピードが14Gbps、メモリバス幅が352bitで、GDDR6 11GBのビデオメモリを搭載。また製品には独自ユーティリティ「Afterburner」が付属しており、あくまで自己責任ながら、さらなるパフォーマンスアップも期待できる。