エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.722
2019.03.02 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ここからは実際のゲーミングシーンを前提としたテストを進めていこう。まずはSLIへの対応が謳われている「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」の公式ベンチマークソフトからだ。描画品質はもちろん“最高品質”で、解像度は1,920×1,080ドットと3,840×2,160ドットの2パターンに設定した。
グラフィックスカードへの負荷が大きい3,840×2,160ドットでは、スコアは35%向上、フレームレートも75fpsから102fpsに27fpsも引き上げられ、しっかりと効果が表れている。しかし1,920×1,080ドットでは、スコアの伸び率は約5%、フレームレートも13fpsと微増にとどまる。もともと性能の高いGeForce RTX 2080 Tiということで、「NVLink SLI」を構築するなら最低でもWQHD以上の液晶ディスプレイを用意したい。
続いてSLI非対応の「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」ベンチマークソフトのスコアも確認しておこう。解像度はこちらも1,920×1,080ドットと3,840×2,160ドットの2種類を選択。なお3,840×2,160ドットでは、GeForce RTX 20シリーズの新機能である深層学習機能を使用したアンチエイリアス「DLSS(Deep Learning Super-Sampling)」を有効にした状態でも計測を実施した。
ここまでのベンチマークテストでは、順調にスコアを伸ばしていた「NVLink SLI」だが、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」では、1,920×1,080ドットで約13%、3,840×2,160ドットではいずれも約20%と大幅が落ち込んでいる。
次にSLIに正式対応する「Battlefield 1」のスコアを確認していこう。描画品質は“最高”、APIはDirectX 12で、解像度はこれまでと同じ1,920×1,080ドットと3,840×2,160ドットの2パターンに設定。シングルプレイヤーモード「鋼鉄の嵐」の「怯むな、進め」をプレイし、「Afterburner」を使いフレームレートを測定した。
1,920×1,080ドットでは、Singleに比べて約10%パフォーマンスが低下しており、SLI対応のゲームでもGPUの負荷が軽すぎる場合には、悪影響が出ることがある。しかし、3,840×2,160ドットでは70%以上もフレームレートが向上しており、その効果は圧倒的だ。
ゲーム系ベンチマークテストのラストは、現在のところまだSLIに対応していない「Battlefield V」をチェックしていこう。描画品質は“最高”、解像度はこれまでと同じ1,920×1,080ドットと3,840×2,160ドットの2パターンに設定。シングルプレイヤーモード「大戦の書」の「最後の虎」をプレイし、GPUOpen「OCAT」を使い平均フレームレートを測定した。
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」ほどではないものの、「NVLink SLI」ではすべての設定でスコアが低下している。このことから、SLI非対応のゲームで「NVLink SLI」を構築すると、オーバーヘッドによってパフォーマンスが低下する可能性があることは覚えておく必要がある。