エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.727
2019.03.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
今回取り上げるbe quiet!「SILENT BASE 801」は、正規販売代理店ルートにより、今年3月から国内での販売がスタートした。そもそもこのモデルを初めてご紹介したのは、昨年開催された「COMPUTEX TAIPEI 2018」のブースレポートだった。
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「COMPUTEX TAIPEI 2018」be quiet!ブースで展示された「SILENT BASE 801」。近頃のトレンドを取り入れた”期待の大型新人”としてレポートをお届けした |
そもそも当初の予定では、2018年末の発売とされていたが、国内市場での販売代理店変更などの事情が重なり、スケジュールが遅延。このほどようやく正規ルートでの入手が可能になった。代理店に就任した株式会社オウルテックの発表で市場想定売価は税抜28,800円。近頃のPCケースとしては、なかなかの強気な売価設定と言えるだろう。
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be quiet!「SILENT BASE 801 WINDOW ORANGE」(型番:BGW28) 市場想定売価税抜28,800円(2019年3月発売) 製品情報(be quiet! / 株式会社オウルテック) |
しかしそれには理由があって、「SILENT BASE 801」が単なるミドルタワーPCケースではないからだ。解説を進めるうちに徐々に明らかになるが、検証を始める前に最大のトピックとして、マザーボードのレイアウトが変更できる点をご紹介しておこう。
出荷時は一般的なミドルタワーPCケース同様、マザーボードは向かって右側にマウントされる。しかしマザーボードトレイとリアパネルを反転させる事で、マザーボードは向かって左側にレイアウト。いわゆる倒立配置にもなるのだ。
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ちなみに2016年に発売された「DARK BASE PRO 900」でもこの手法は採用されており、これまでの自作PC史上でも同様の製品は存在した。とは言え、側面に4mm厚の強化ガラスを用いたイマドキ仕様で、可能な限り取り外しができる”フリーレイアウト”の設計思想を取り入れたPCケースは希少だろう。
次にスペック表から「SILENT BASE 801」の概要を掴んでおこう。対応フォームファクタはE-ATX、ATX、MicroATX、Mini-ITXとされる。ただしE-ATXについては、対応基板サイズが305x275mmまでに留められ、規格値であるフルサイズの305x330mmは搭載できない点は覚えておこう。
外形寸法は幅が281mm、奥行きが539mm、高さが553mm。重量は10.82kgで、主素材はスチール、副素材にABS樹脂を使用。左サイドパネルには強化ガラスが採用されている。数値で気がつくのは幅で、一般的なミドルタワーPCケースよりもだいぶ広く設計されている。そこでデータシートの図面を確認してみよう。
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「SILENT BASE 801」のボトム部には、スタンドの役割を担うスタンドが装着されている。安定感を確保する必要から、本来のボディサイズよりもはみ出る形でハの字に装着されており、これが281mmもの数値になる根拠になっている。なお純粋なボディサイズは245.4mmとされ、多くのミドルタワーPCケースよりも若干幅広い設計である事に違いは無い。
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