エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.727
2019.03.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ここまで7ページにわたり、be quiet!「SILENT BASE 801」の概要から外装周り、内部構造、付属品にいたるまで、全てのチェックを終えた。最終セッションでは実際に構成パーツを組み込み、作業における注意点や優れた点、さらに組み込み後の周辺クリアランスなどを解説していく。なお搭載手順は敢えてマニュアルには準拠せず、組み込みのし易いパーツから作業を行っている。
「SILENT BASE 801」最大の特徴であるマザーボードの倒立レイアウトも実際に試してみよう |
はじめに基幹パーツの筆頭にあるマザーボードを搭載してみよう。用意したのは最も搭載されるであろうATX規格。244x305mmが基板サイズだ。先に解説した通り、マザーボードトレイには予め9本のスタンドオフが装着済み。その内2段目の中央部はネジ穴ではなくピン形状で、仮置き時に位置決めができるようになっている。
なお固定には付属の「M3ねじ」を使用。開口部が広く、作業の妨げになるコンポーネントもこの段階ではゼロだけに、組み込みはスムーズに行う事ができる。また搭載後の周辺クリアランスを計測すると、天板までは約60mm、フロントパネルまでの右方向は約190mmの空きエリアが確認できた。
マザーボードを搭載したところで、CPUクーラーの有効スペースをチェックする。公称185mmとされるCPU上空だが、実際に計測したところほぼ同様の数値が確認できた。緩やかな回転で冷却する、大口径ファン搭載のサイドフロー型CPUクーラーも搭載できるだろう。次にCPUクーラーメンテナンスホールをチェックすると、実測で幅約165mm、高さ約150mmだった。
「SILENT BASE 801」の設計上における最大の特徴は、マザーボードを倒立レイアウトに変更できること。とは言うものの、ひとたび組み込みが完了すれば、そうそう”反転”させる事はないだろう。だが、合計9本のネジを外すだけで全く違ったスタイルのPCになるという事実は、大いに自作魂をくすぐる。当然筆者も興味があるので、実際に「正立」から「倒立」に変更を試みた。手順はこうだ。
まず黄色い丸で囲んだ箇所のネジを全て取り外す。場所は左サイドパネル側はリア縦列の3本。次に右サイドパネル側のリア縦列3本とマザーボードトレイのフロント部縦3本だ。
左右共にリア縦列にはオレンジ色のゴムブッシュがフレーム側に装着済み。右サイドパネル側のフロント部縦列は独立したオレンジ色のゴムブッシュが使われている |
全てのネジを取り外すと、マザーボードトレイとリアパネルがL字型にシャーシから分離される。ネジを外しただけで全体がズレ落ちるといった事はないが、ハブに接続されたリアファンのケーブルなど配線済みのケーブルは一旦取り外す必要があり、断線には十分注意したい。できれば何も組み込まれていない状態で作業したほうがいいだろう。次に取り外したマザーボードトレイおよびリアパネルを反転させ、ネジ計9本を元通りに締め付ければ「倒立」スタイルが完成。左右どちらにも取り付けられる、強化ガラス製サイドパネルを右側面に装着すれば、内部が視認できる倒立スタイルの魅せるPCができあがるというワケだ。
作業時間10分程度で倒立スタイルが完成。左の壁に沿って設置する環境でも魅せるPCが楽しめる事は大いなるメリットと言えるだろう |
拡張スロットは右上に、リアファンは左下にレイアウト | シャーシから分離した状態のL字型のマザーボードトレイとリアパネル |
構成パーツは「正立」が基本で設計されているとあって、グラフィックスカードの側面ロゴ等は上下逆さまになる点はご愛敬。上下反転の違和感は見慣れるまでに若干時間を要するかもしれない |