エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.729
2019.03.28 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
まず定格駆動時の温度を確認すると、省電力機能が働き、コアクロック、電圧とも抑えられるアイドル時は34℃、高負荷時は68℃、一瞬温度がはね上がるスパイク値も74℃が最高で、冷却が難しくなったCore i9-9900Kの発熱を完全に押さえ込むことができる。
またアイドル時で約30W、高負荷時には約90Wも消費電力が増加するオーバークロック時でも温度はそれぞれ40℃と84℃で、Tjunctionである100℃まではまだ余裕がある状態。実際にクロックの推移を確認したところ、サーマルスロットリングと思われる症状も一切発生しておらず、常用レベルのオーバークロックであれば冷却性能が不足することはないだろう。
続いてファンの回転数を確認すると、アイドル時は定格で490rpm前後、5.10GHzでも550rpm前後。騒音値も35~36dBAで推移しており、バラック状態のテストでもほとんどノイズは聞こえてこない。
また高負荷時でも定格駆動なら回転数は6割強の1,200rpm前後、ノイズレベルも40.2dBAで、ケースに入れてしまえば抑え込むことができる。ただし、5.10GHz駆動では負荷と同時に最高回転まであがり、ノイズレベルも44.8dBAまで上昇。我慢できないというほどではないが、ケースに入れてもある程度の風切り音は覚悟しておいたほうがいいだろう。
240mmラジエターを搭載したオールインワン水冷ユニットでは、最安クラスとなるDeepcool「GAMMAXX L240」。近頃のイルミネーションで主流のアドレサブルRGBには非対応となる他、専用のRGBコントローラが付属しないため、ライティングを楽しむためにはマザーボードにRGB端子が必須になるなど、確かにコスト削減のあとは見える。
しかし冷却機器の本分である、冷却性能についてはかなり優秀。今回は8コア/16スレッドになり発熱が大幅に増えたIntel Core i9-9900Kによるテストを行ったが、定格はもちろん消費電力が約90Wも増加する5.10GHz駆動時でも、サーマルスロットリングを完全に抑えることに成功している。常用稼働を目的としたシステムであれば、これ以上の性能が必要になることはほとんど無いはずだ。
現在使っている空冷クーラーに限界を感じているなら、手頃な価格で高い冷却性能を発揮するDeepcool「GAMMAXX L240」は、最良の選択肢になるだろう。
協力:株式会社アユート
Deepcool Industries Co., Ltd.