エルミタ的一点突破 Vol.50
2019.04.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕 / 池西 樹
最も一般的なタワー型PCケースでの運用を考慮して、ベンチマーク台を縦置きにした状態でテストを実施。なおヒートシンク温度計測とサーモグラフィの撮影時は、ベース部が見えないため一時的に横置きに変更した |
取り付け方法を確認したところで、ここからはNoctua「NH-U12A」を実際のPCに組み込み、その本分である冷却性能を確認していく。検証用のCPUは、第9世代Coreシリーズこと、Coffee Lake Refreshの最上位モデルCore i9-9900Kを使い、UEFIのファンコントロール機能は最も静音性を重視した「Silent」を、ファンの回転は“標準”と「Low-Noise Adaptor」(L.N.A)で回転数を落とした状態で測定を実施した。なおストレステストは「OCCT 4.5.1」、CPUの温度およびファンの回転数の取得は「HWiNFO64 v6.04」を使い、アイドル時は起動直後10分間放置した際の数値、高負荷時は「OCCT 4.5.1:CPU:OCCT」を動作させ、30分経過した際の数値をそれぞれ採用している。
「Z390 Extreme4」のデフォルト設定。「Performance Mode」は標準で「CPU Ratio +1」が選択されていた |
「CPU-Z 1.88.0」の結果。アイドル時は800MHz、すべてのコアに負荷がかかる状態では4.70GHzまでクロックが上昇した |
コアごとに温度のばらつきがあるため、CPUの温度は「CPU Package」の数値を採用した | ファンの回転数も「HWiNFO64」で計測を行った |
省電力機能が働き消費電力が30W前後に留まるアイドル時は、いずれも冷却性能が飽和し28℃で横並び。また高負荷時の温度は標準回転が67℃、最大回転数が85%に抑えられるL.N.Aでも+3℃の70℃。「HWiNFO64 v6.04」のログを確認したところ、コアクロックも4.70GHzを常に維持できており、サーマルスロットリングと思われる症状は一切発生していなかった。CPUのみの負荷テストで230Wを上回る消費電力が大きいCore i9-9900Kだが、「NH-U12A」を使えばその発熱を完全に押さえ込むことができる。