エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.734
2019.04.18 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ENERMAX「ERF650AWT」 市場想定価格税込14,800円(2019年3月9日発売) 製品情報(ENERMAX) |
3月に販売が始まった、ENERMAXの新型GOLD電源「REVOLUTION D.F.」。信頼性重視の設計、独特の冷却ギミックを搭載したミドルレンジ向けのシリーズだ |
ENERMAXが新たに投入した「REVOLUTION D.F.」シリーズは、ミドルレンジユーザーをターゲットに据える80PLUS GOLD認証取得の電源ユニットだ。市場でも最も売れ筋の価格帯とあって、コストパフォーマンスとともに確実な信頼性が求められる。各メーカーの主力モデルが割拠する、最も競争の激しいクラスだ。
容量ラインナップは、650Wと750W、850Wの3モデル。ミドルど真ん中な構成はもちろん、ハイエンドマシン向けの容量もカバーされている。ケーブルタイプは、すべてのケーブルが脱着可能なフルモジュラー式。ケーブル自体も取り回し容易な100%フラットケーブルを採用した。
+12Vラインは4系統に分割。それぞれに負荷を分散させ、安定性を高める設計になっている |
また、新シリーズの投入にあたり、ENERMAXは従来から設計を刷新。現行環境では大出力が可能な+12Vシングルレーンが主流になっているが、「REVOLUTION D.F.」シリーズではあえて+12V 4系統を採用した。これは4系統をバランスよく使うことで、より安定した電力供給を可能にするため。製品サイトでは4系統それぞれの該当コネクタを色分けしたイメージを掲載。安定した最高出力を可能にするため、4系統すべてを使用することが推奨されている。
さらに一次側・二次側ともに日本メーカー製の105℃液体電解コンデンサを100%採用するなど、構成パーツには一級品を使用。安定性と変換効率に優れた「DC to DCコンバータ」も実装されている。MTBFは10万時間以上だ。
コンデンサには100%日本メーカー製の105℃品を採用、搭載部品の品質にこだわった。冷却にも特徴があり、ファンを逆回転させてホコリを除去するギミックが盛り込まれている |
冷却機構には、ATX電源としては最大級となる139mm口径のツイスターベアリングファンを搭載。あくまで信頼性を重視する観点から、セミファンレスではなく常時回転の「スマート・エアーフロー・コントロール(SAC)」デザインが採用されている。
また、起動時にファンを逆回転させてホコリを吹き飛ばす、特許取得の「Dust Free Rotation Technology(DFR/自己洗浄機能)」といったギミックも搭載。長時間PC電源をオフにしないユーザーは、背面の「D.Fスイッチ」を押せば、任意にファンを逆回転させることができる。他メーカーの製品に比べ、一歩抜きん出たホコリ対策だ。
次項からは、いよいよ編集部に届けられたサンプルを開封し、「REVOLUTION D.F.」シリーズを内外から検証していく。なお、今回はシリーズの650Wモデル「ERF650AWT」を借り受け、検証に使用した。