エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.737
2019.05.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
未だ2番目に使用者が多いWindows OSとして知られているWindows 7。その一方で最新プラットフォームでのサポートはすでに打ち切られ、使える環境は年々縮小している。特にオフィスなどでは、使用ソフトの関係でOSのアップグレードができず、不調を抱えながらも、既存のPCをだましだまし使っているという人もいることだろう。
そんなユーザーを救済するためBIOSTARでは、Coffee LakeやRyzen向け最新マザーボードの一部に、Windows 7をインストールするための専用ユーティリティ「WindowsTools」を提供している。Intel H310では、グラフィックスドライバが無いため、別途グラフィックスカードが必要になるものの、2020年1月14日のサポート終了まで、Windows 7を使い続けたいというユーザーには朗報だ。そこで最後に「WindowsTools」によるWindows 7のインストールを試してみることにしよう。
「WindowsTools」の使い方は、Windows 7のISOイメージやインストールDVDと、USBメモリを指定するだけ |
正しく設定して「START」ボタンを押すとインストール用のUSBメモリが自動的に作成されるので、あとはインストーラーに従ってOSとドライバをインストールするだけ |
Core i9-9900Kを搭載した最新PCでWindows 7を問題なく動作させることができるようになる |
Intel H310では、CPU内蔵のグラフィックスドライバが提供されていないため、別途グラフィックスカードが必要。ただし、それ以外のデバイスはすべて認識させることができた |
Coffee Lakeマザーボードとしては非常に珍しい、DDR3Lスロットを搭載するBIOSTAR「H310MHD3」。メモリの違いによるCPU性能への影響はごくわずか。またテスト中に、フリーズやブルースクリーンが発生することもなく、今回検証した限りでは、安定性にも問題はなかった。
電源回路が4フェーズと弱いため、Core i9-9900KのようなTDP95Wクラスのモデルでは、そのパフォーマンスを最大限に引き出すことは難しい。しかし、TDP65WやTDP35WのCPUであれば、一般的なDDR4を使用するマザーボードとの違いを感じることはほとんどないだろう。
Core i9-9900Kはやや荷が重いが、第9世代Intel Coreシリーズも問題なく動作。TDP65Wのスタンダードモデルや、今後登場予定のTDP35Wの省電力モデルなら、電力もクリアできる |
最近ではメモリの低価格が進んでおり、これから新規にPCを組む場合には、素直にDDR4を選択したほうがいい。一方、現在DDR3のシステムを使っていて、PCをアップグレートしたい。またPCパーツの換装で余っているDDR3があるユーザーにとっては、税抜約7,000円で購入できる「H310MHD3」は、旧資産を有効活用できるちょうどいいアイテムだ。
協力:株式会社アユート