エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.745
2019.06.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi
Thermaltakeの「Pacific」シリーズと言えば、これまで製品紹介から組み込み実践まで、幾度となく取り上げてきたDIY水冷パーツ。ラインナップは増え続け、専売メーカー顔負けの大掛かりなカテゴリに成長した。
そんな充実のラインナップが自慢の「Pacific」シリーズから今年1月、水冷システムを搭載したDDR4メモリ「WaterRam RGB」が発表された。専用ヒートスプレッダを装着したメモリモジュールと、専用ウォーターブロックで構成。水冷による高い冷却能力に加え、「Pacific」シリーズらしくウォーターブロックトップに装着されたPMMA(アクリル樹脂)カバーには12個のアドレサブルRGBを内蔵。メモリ周りを華やかに演出することができる。
イルミネーション機能は、数多くのアドレス指定可能なThermaltake「TT RGB PLUS」製品とLED同期させる特許取得済みソフトウェア「TT RGB PLUS」に対応。さらにASRock「Polychrome RGB」、ASUS「Aura Sync」、GIGABYTE「RGB Fusion」、MSI 「Mystic Light Sync」をはじめ、「Razer Chroma Lighting」ユーティリティ、さらに英語音声に限定されるが「TT AI VOICE CONTROL」「Amazon Alexa」のサービスコマンドもサポートする。
対応製品をひとまとめに制御する「TT RGB PLUS」。PC全体をThermaltake製品で埋め尽くす戦略的なトータルパッケージは完成度が高く操作性にも定評がある |
次に機能面として最も重要な仕事である冷却構造を知っておこう。メモリモジュールには、あらかじめアルミ製ヒートスプレッダが装着済み。その上部にニッケルメッキ処理が施された銅製ベースの専用ウォーターブロックを搭載させ、クーラント液の循環によりメモリ温度を下げようという考えだ。
また、熱伝導率が最適化されたヒートスプレッダは、自然対流による冷却効果もあり、双方向の冷却アプローチが大きな特徴とされている。
自社テストによると強制的な風の影響を受けない状態下で、メモリ温度を37℃低い状態が保てるという。これはシステムの安定化のみならず、パーツ寿命を延ばすためにも有効といえよう。ともすれば鮮やかなイルミネーションに注目が集まりがちだが、実は冷却能力の高さこそ「WaterRam RGB」最大のアピールポイントというワケだ。