エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.746
2019.06.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
Cooler Master「V750 GOLD」(型番:MPY-7501-AFAAGV-JP) 市場想定価格税抜13,480円(2019年6月7日発売) 製品情報(Cooler Master) |
Cooler Masterの80PLUS GOLD認証電源ユニットといえば、真っ先に思い浮かぶのが「V Semi-Modular」シリーズだろう。その発売は2014年5月まで遡る“古株”だが、確かな信頼性に加え破格の価格設定もあり、市場で圧倒的な支持を受けた。ショップ店頭でも、ここ数年で最も売れた電源ユニットとして認知されているシリーズだ。
ここ数年来で売れに売れた、GOLD認証電源ユニット最大級の売れ筋モデル「V Semi-Modular」シリーズ。その鉄板モデルについに後継が登場した |
その後継モデルとして登場したのが、今回の主役である「V Gold」シリーズ。ベースモデルと出会ったのは昨年のCOMPUTEX TAIPEI 2018のことで、当初はその年の9月にも発売される手はずになっていた。しかし先代が異例のロングセラーモデルとあって、市場投入のタイミングを計りかねていたのかもしれない。さらに遅れること約1年、ようやく販売が開始されることになった。Cooler Masterが熟成を重ねて送り出した新たな主力モデルとは、どのような製品に仕上がっているのだろうか。
昨年のCOMPUTEXでは、近く発売という触れ込みだった「V Gold」シリーズ。ちなみに今年のブースにも、グローバルにて発売予定というホワイトモデルが持ち込まれていた。国内向け展開はあるだろうか? |
検証を始める前に、まずは「V Gold」シリーズの素性を把握しておこう。市場でも最も売れ筋のラインである80PLUS GOLD認証を取得した電源ユニットで、新モデルはさらに要件の厳しいCybernetics社の認証プログラム「ETA-A」にも適合。標準90%の電力変換効率が、より厳格な基準で証明されている。容量ラインナップは、650W/750W/850Wの3モデル展開だ。
80PLUS GOLDとETA-A認証を取得した、ミドルレンジ向け電源ユニット「V Gold」シリーズの販売が6月から始まっている |
回路設計には、一次側二次側ともに日本製コンデンサを100%採用し、電源ユニットとして一級品の条件を備えた。さらに電力損失とノイズを抑えたハーフブリッジ形LLC方式のDC/DCコンバータを搭載。安全性と高効率、安定した電圧出力を実現するための仕様だ。なお、+12Vは最大70.4A(850W)のシングルレーン構成になっている。
そして冷却機構には、135mm口径のFDB(流体動圧軸受)ファンを搭載。負荷40%以下でファンを停止するセミファンレスモードに対応するだけでなく、本体の「ハイブリッドスイッチ」でセミファンレス機能のON/OFFを切り替えることも可能だ。
Cooler Masterらしい落ち着いたデザインのパッケージ。日本製コンデンサを100%使用する信頼性や、10年間の長期保証がアピールされている |
スイッチによる冷却コンセプトの切り替えや、高品質ケーブルについての記載はパッケージ裏に。その中には、ユニット本体と各種ケーブルが余裕を持って収められていた |
また、ケーブル仕様は必要なケーブルのみを接続できるフルモジュラータイプ。各ケーブルは取り回し容易なフラットリボンケーブルで、特にPCI-Expressケーブルには導電性の高い16AWGケーブルを採用した。
そのほか、各種保護回路を実装し、MTBFは10万時間以上。保証期間は、80PLUS GOLD認証モデルでは最高クラスの10年間だ。なお、今回はシリーズにおける750Wモデル「V750 GOLD」を借り受け、検証を行っていく。