エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.751
2019.07.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
CPUソケットはこれまでと同じSocket AM4。ただし、第3世代Ryzenシリーズでの安定動作を可能にするため、電源回路のMOSFETには「Dr.MOS」を採用する |
最高16コア/32スレッドの第3世代Ryzenシリーズに合わせて設計された「X570 Taichi」。電源回路はデジタルPWMによる14フェーズ構成で、ヒートパイプを使い連結された大型のヒートシンクや、「2オンス銅箔層」基板を採用することで、放熱性を高めている。
そして電源回路を構成するパーツも厳選されたものばかり。MOSFETは、ハイエンドプラットフォームで採用されることが多い「Dr.MOS」で、チョークコイルは飽和電流を通常の3倍に高めた「プレミアム60Aパワーチョーク」、コンデンサは最低12,000時間以上の長寿命を誇る「ニチコン12Kブラックキャップ」だ。さらに電源コネクタに、電気抵抗を低減し、CPUにより安定した電力を供給できる「高密度電源コネクタ」を組み合わせることで、実に300Wを超えるオーバークロックにも耐えられる設計だという。
最高95%の高効率を実現した「Dr.MOS」には、ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバICが統合され、14フェーズながら電源周りはスッキリとした印象 |
各パーツが整然と配置された電源回路。補助電源コネクタには、電気抵抗を低減した「高密度電源コネクタ」を採用する |
PWMコントローラはデジタルデュアル7フェーズ出力に対応するRenesas「ISL69147」 | 「Dr.MOS」を冷却する2ブロックのヒートシンクはヒートパイプで連結 |
「X570 Taichi」では、PCI-Express4.0を16レーン備える最新チップセット「AMD X570」を搭載する。CPUとの接続用に加え、NVMe M.2 SSD用のレーンも確保され、対応SSDを使えばPCI-Express3.0(x4)の限界を超えるストレージ環境を構築できる。また8ポートのUSB3.2 Gen.2や、最大8ポートのSATA3.0(6Gbps)を実装。AMD 400シリーズから導入された、ストレージ高速化技術「StoreMI」もサポートし、インターフェイス周りはかなり充実している。
その分消費電力も増加しておりヒートシンクには、最近のマザーボードでは珍しく冷却ファンを搭載。また基板下半分を覆う、M.2ヒートシンク一体型のカバーには、Taichiシリーズおなじみの“ギア”をモチーフにした「Polychrome Sync」対応のイルミネーションギミックを備えた。
基板の下半分には、M.2ヒートシンクを兼ねたメタル製カバーを搭載。チップセット部分にはTaichiシリーズおなじみの“ギア”をモチーフにした「Polychrome Sync」対応のイルミネーションを搭載 |
PCI-Express4.0など先進的な機能に対応したため、「AMD X570」では消費電力も増加。冷却には小型ファン付きヒートシンクを実装 |
ヒートシンクを取り外してチップセットを確認したところ。「AMD X570」では、これまでのRyzen向けチップセットから外観も大きく変更された |