エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.754
2019.07.18 更新
文:松野 将太
もともとNAS向けのHDDを展開するブランドとして知名度が高いSeagateの「IronWolf」だが、そこに加わった新製品が今回の「IronWolf 110 SSD」だ。同ブランドからSSDがリリースされるのは初めてで、他メーカーでもいまだ前例がないことから“世界初のビジネスNAS向けSSD”を謳う。
Seagate Technology「IronWolf 110 SSD」 1.92TBモデル「ZA1920NM10001」実勢売価税込58,700円前後 製品情報(Seagate Technology) |
展開する全5モデルにNAS向けのファームウェア「AgileArray」を採用し、信頼性と安定性を高めるデータ圧縮技術「DuraWrite」を搭載。常時稼働が求められるNAS向けに特化し、安定した運用が可能としている。コンシューマー市場に投入される製品ではあるが、クリエイティブ用途などでエンタープライズクラスの信頼性が欲しいユーザーにとっては非常に有力な選択肢となるだろう。ただし耐久性を担保するぶん、価格帯は一般的なSSDよりも高めだ。
立ち位置としてはプロシューマー向けのモデルに極めて近く、最上位モデルは容量3.84TBで書き込み耐性7,000TBWと、一般的なSSDとはかけ離れた豪華なスペックが特徴 |
ロスなくデータを圧縮することでDynamic OP(Over Provisioning)の領域を増やし、読込と書き込みの速度上昇や耐久性を増加させる「DuraWrite」を搭載 |
容量ラインナップは、240GB、480GB、960GB、1.92TB、3.84TBの5モデルを展開。コントローラにはSeagate独自の「ST22G4000AB」を採用し、NANDフラッシュは東芝製の3D TLC NANDを搭載。本製品の大きな特徴でもある書込耐性は、240GBモデルが435TBW、480GBモデルが875TBW、960GBモデルが1,750TBW、1.92TBモデルが3,500TBW、3.84TBモデルが7,000TBWと、一般的なコンシューマー向けモデルを数倍も上回る耐久性を実現している。
独自コントローラーと2つのキャッシュメモリ、NANDが配置された基板。実際の性能はベンチマークセッションで検証する |
公称転送速度は、シーケンシャル読込が全容量共通で560MB/sec、書込が240GBモデルのみ345MB/sec、それ以外の4モデルは535MB/secとなる。本体サイズはW70.1×D100.25×H7mm、重量77g。MTBFは200万時間、保証期間はすべてのモデルが5年間だ。
インターフェイスはSATA3.0(6Gbps)。S.M.A.R.T.やAPMのほか、省電力機能「Device Sleep」にも対応 |