エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.755
2019.07.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
テストセッションが一段落したところで、その最中における「PG-DB」の挙動を確認してみよう。果たしてベンチマークテスト中の高負荷でシステムはどう反応していたのだろうか。各種ベンチマークテストを実行した際に最も高かった数値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した際をアイドル時として、「HWmonitor」による計測を行った。
Core i9-9900Kはその発熱の大きさから水冷クーラーが推奨されているが、空冷仕様ながら「CORE FROZR L」はかなり健闘している。CPUに強力な負荷がかかる「CINEBENCH R20」こそ90℃オーバーながら、実際のゲームでは70℃台から80℃台に収まっている。ベンチマーク中にシステムが不安定になることも一切なく、空冷モデルとしては最大限の仕事を果たしているといえる。
続いてベンチマーク中におけるGPU温度から、「GeForce RTX 2080 GAMING TRIO」が搭載する「TRI-FROZR」の実力を確かめる。その結果はかなり良好で、ベンチマーク・ゲーム中におけるGPU温度はどれも70℃台。しかもファン回転数は最大45%ほどと、かなりの余裕を残している。騒音を抑えつつスマートに回転し、GPU温度を想定範囲にしっかり収めることができているようだ。
テストセッションの締めくくりとして、ベンチマーク・ゲーム中における「PG-DB」の消費電力を確かめてみよう。それぞれのテスト実行時における最大値、起動後10分間放置した際の最小値それぞれをワットチェッカーで計測した。
「PG-DB」は前述の通り1,200Wの電源ユニットを搭載しているが、結果は最大でも322Wと、かなりのマージンを残していることが分かった。その気になればもう1枚グラフィックスカードを追加しても余裕でまかなえるほどであり、消費電力の側面における心配事は何もない。仮に長期間の運用で電源が多少ヘタってしまったとしても、安定動作を脅かすにはまだ遠い。電源ユニットの安定性は、システムの信頼性にとって非常に重要な要素だ。
一流のベンダーであればあるほど、BTOのカスタマイズページには、まるでショップの棚を眺めるような感覚に浸れるほど多数の選択肢が提示されている。しかしその一方で、あまりに多くの選択肢を面倒に感じる向きもあるだろうし、そもそもBTOは仕上がりをイメージしにくい。望むスペックを満たすパーツをアレコレと時間をかけて見繕ったとして、個性的なパーツ同士が自己主張しあった結果、しっくりこないビジュアルのマシンが出来上がることもあるだろう。構成物すべてをケースが呑みこんでいた時代ならともかく、“魅せる”仕様がスタンダードになった今となっては、パーツの組み合わせはかつてなく重要な要素だ。
その点で「PG-DB」はじめ「Powered by MSI」のゲーミングマシンは、仕上がりに対する不安が一切ない。主要パーツを同一メーカーに揃えたことで、統一感のあるビジュアルが初めから約束されており、文字通り“誂えたような”マシンが簡単に出来上がる。
シリーズの構成パーツもMSIとストームによりランク別にバランスよくピックアップされており、最新のゲームをリッチにプレイできる実力を満たしている。もとよりパフォーマンスと安定性に定評のあるMSI製品をコアに、信頼性の高いメモリやストレージをプラス。十分に余裕をもたせた電源容量しかり、長期に渡る安定動作の見極めもプロが済ませている。
完成度の高いゲーミングマシンを手軽にユーザーに届けたい、というMSIのマインドを一流のBTOメーカーが形にした製品。それが「Powered by MSI」だ。欲しい性能に加えゲーミング志向のビジュアルもすでに構築済み。ほとんどの場合、カスタマイズの手間もなくワンクリックでオーダーが完了してしまうかもしれない。
協力:ストームシステムテクノロジー
Micro-Star Int’l Co.,Ltd.(MSI)