エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.757
2019.07.23 更新
文:松野 将太
ここからは、GeForce RTX 2080 SUPER Founders Editionのベンチマーク結果を見ていこう。テスト環境のCPUは、第9世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルCore i9-9900Kで、ドライバはレビュワー向けに配布された「GeForce Game Ready Driver 431.56」を使用。また、比較用GPUとしてTuring最上位のGeForce RTX 2080 Ti Founders Edition、およびSUPERシリーズの1つ下に位置づけられるGeForce RTX 2070 SUPER Founders Editionを用意し、あわせてスコアを計測している。
GeForce RTX 2080 SUPER Founders Editionを搭載したところ。最近の発光するPCパーツとの組み合わせも悪くない |
さっそく、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.9.6631」の結果から確認していく。まずはDirectX 12対応のテスト「Time Spy」だ。プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
「GeForce RTX 2080 SUPER Founders Edition」の性能は、大方の予想どおりGeForce RTX 2070 SUPERとGeForce RTX 2080 Tiの間を埋めるラインに設定されていることが分かるだろう。細かく見ていくと、「Time Spy」プリセットでは下位モデルのGeForce RTX 2070 SUPER比で総合スコアが約11%、Graphics scoreが約13%高い反面、GeForce RTX 2080 Ti比では総合スコアで約16%、Graphics scoreで約19%差をつけられている。SUPERシリーズの中での最上位モデルとはいえ、GeForce RTX 2080 Tiのポジションを脅かさないよう、パフォーマンスによる線引きがきっちりされているというわけだ。
「Time Spy Extreme」プリセットでも、GeForce RTX 2070 SUPER比で110%前後、GeForce RTX 2080 Ti比で80~85%のパフォーマンスという点は変わらない。このプリセットではGeForce RTX 2080 SUPER Founders Editionが安定して平均30fpsを超えられるのに対し、GeForce RTX 2070 SUPERは30fpsを超えるかどうかの瀬戸際でフレームレートが推移していた。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
こちらのテストでも、さきほどの「Time Spy」とスコアの傾向はほとんど一緒だ。シングルGPU最速の座はGeForce RTX 2080 Tiで揺るがない。同じTU104コアを採用し、200ドルの価格差があるGeForce RTX 2070 SUPERとの10%の性能差をどう捉えるかが、購入時の大きな悩みどころになると言えるだろう。
今回テストに使用したGPUはすべて「DirectX Raytracing(DXR)」に対応するため、リアルタイムレイトレーシング対応テストである「Port Royal」でもスコアを計測してみた。
搭載するRTコア数にも違いがあるためか、GeForce RTX 2070 SUPER比で115%、GeForce RTX 2080 Ti比で78%とスコアに若干大きめの差が出た。このテストでも、GeForce RTX 2080 SUPER Founders Editionが平均30fpsを超えられたものの、GeForce RTX 2070 SUPERは平均27fps前後にとどまっている。GeForce RTX 2080 Tiが平均40fpsを超えることを考えればわずかな差にも思えるが、AAA級タイトルの高解像度プレイでは快適さを左右しうるので、覚えておきたい。