エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.757
2019.07.23 更新
文:松野 将太
ここからは、実際のゲームに即したベンチマークソフトでのチェックを実施していく。人気のMMO RPGの最新アップデート版「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークテストでは、描画品質を“最高品質”に設定し、1,920×1,080ドット、3,840×2,160ドットの2種類で計測を実施した。
それほど重いベンチマークではないため、フルHD解像度ではもちろん、4K解像度のテストでも3モデルすべてが「非常に快適」判定をパスしている。軽量なフルHD解像度テスト時のスコアの差は最大でも5%程度にとどまるが、4KテストではGeForce RTX 2070 SUPER比で約14%と小さくない差が生まれる。高解像度で144Hzや240Hzといったハイリフレッシュレートのディスプレイを使用するような場合、快適さが若干変わってくることには注意したい。
続いてはより重量級の「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークスコアをチェックしていこう。描画品質は“高画質”で、解像度は1,920×1,080ドット、3,840×2,160ドットの2種類で計測している。
フルHDテストで最高判定である「非常に快適」を達成できたのはGeForce RTX 2080 Tiのみで、GeForce RTX 2080 SUPER Founders EditionとGeForce RTX 2070 SUPERはひとつ下の評価である「とても快適」の判定。スコアの差はGeForce RTX 2070 SUPERとの比較で約110%、GeForce RTX 2080 Tiとは約87%で、3DMarkの各テストほどの大きな差は出ていない。フルHD解像度でのゲームプレイに関しては、各GPUの差を気にする必要はあまりないということだろう。
一方の4Kテストではやはり差が大きくなり、GeForce RTX 2080 Tiが「快適」判定、GeForce RTX 2080 SUPER Founders Editionがひとつ下の「やや快適」判定、GeForce RTX 2070 SUPERはさらにひとつ下の「普通」判定という結果になった。これまでのテストでもそうだったように、GeForce RTX 2080 SUPERとGeForce RTX 2070 SUPERとの差は高解像度でより顕著だ。どちらを購入するか迷った場合、4Kゲーミングも視野に入れるならGeForce RTX 2080 SUPERを選んでおくのが妥当と言える。
実際のゲームでのフレームレートも確認しておこう。使用するタイトルは「Battlefield V」で、描画品質は“最高”、解像度はこれまで同様1,920×1,080ドット、3,840×2,160ドットの2種類で、APIはDirectX 12を選択している。また、本作ではDXRが有効可能なため、DXR有効時と無効時の測定を実施。シングルプレイモード「大戦の書」の「北極光」ステージで、特定コースを1分間プレイした際の平均フレームレートをGPUOpen「OCAT」で計測した。
GeForce RTX 2080 Tiのフレームレートが突出しているのはこれまでのベンチマーク傾向と同じだが、フルHD解像度の計測では、GeForce RTX 2080 SUPERの平均フレームレートが145fpsに到達していることに注目したい。ハイリフレッシュレートディスプレイの性能を存分に生かせるという意味では、平均fpsが130前後に収まっているGeForce RTX 2070 SUPERとの差は大きいとも言えそうだ。ただしDXR有効時はいずれのGPUでもフレームレートがぐっと下がり、面白いことに両者の差はほとんど誤差程度に収まる。筆者の環境ではGeForce RTX 2070 SUPERがGeForce RTX 2080 SUPERを若干上回る場合もあったが、こうした挙動は今後ドライバーの成熟により改善される可能性が高いだろう。
4K解像度の計測では、これまでのベンチマークと傾向がほとんど変わらない、素直な結果が出ている。ここでも、DXR無効状態でGeForce RTX 2080 SUPERが平均60fpsをマークし、GeForce RTX 2070 SUPERがわずかに届かないという明確な差が出ているのは面白い。DXR有効時は60fpsを下回ってしまうが、GeForce RTX 2070 SUPERに対して有意な差は出るため、GeForce RTX 2080 SUPERを選択する意味はあると言える。