エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.757
2019.07.23 更新
文:松野 将太
最後にシステムの消費電力をチェックしておこう。テスト方法は、「3DMark」の「Time Spy Extreme Stress Test」を動作させた際の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として採用している。
アイドル時の消費電力はほぼ横並び。高負荷時に関しては、GeForce RTX 2080 SUPER Founders EditionとGeForce RTX 2070 SUPERの差は35Wで、公称のTDPとぴったり同じ結果がでている。GeForce RTX 2080 Tiとの比較では40Wの差があり、11%ほど消費電力が低い計算になる。性能から考えればGeForce RTX 2080 Tiに対してのワットパフォーマンスは特別いいとは言えないが、総じてNVIDIA製GPUは消費電力に関して優秀なため、あまり気にする必要はないだろう。他のベンチマーク実行中でも消費電力が500Wを超えるシーンは見られなかったため、一般的な600Wクラスの電源ユニットであれば、容量的には十分カバーできるだろう。
これまでのテスト結果を見る限り、同社初のシリーズ名である「SUPER」を冠したモデルの最上位として登場するGeForce RTX 2080 SUPERは、WQHDや4K環境での快適なゲームプレイを志向するコアなPCゲーマーにとって、GeForce RTX 2080 Tiに次ぐ有力な選択肢と言えるだろう。特に「Battlefield V」のようなヘビー級タイトルでも4K解像度で平均60fps越えが狙える意味は大きく、GeForce RTX 2070 SUPERでは手が届かない範囲を的確にカバーしてくれる印象だ。
反面、フルHD環境では、その性能を活かし切ることができなくなる。実際のベンチマークでもGeForce RTX 2070 SUPERとほとんど差がなく、価格差も約200ドルと小さく無い。所持しているディスプレイの解像度やプレイしたいゲームに合わせ、柔軟に選択するのが良さそうだ。
AMDのRadeon RX 5000シリーズがGeForce RTX 2070を比較対象としてアピールしたことに対し、性能をアップさせたGeForce RTX 2070 SUPERを投入するだけにとどまらず、競合のラインアップにないウルトラハイエンドのラインでもGeForce RTX 2080 SUPERという強力な武器を市場投入してきたNVIDIA。GeForce RTX 2080 Tiとの二頭立てでウルトラハイエンド帯は盤石の体制のようにも思えるが、今回の販売解禁で果たしてどのように市場が動くか、注視していく必要があるだろう。
協力:エヌビディア