エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.759
2019.07.29 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
マグネット固定式防塵フィルタを取り外すと、天板にはハニカム状の通気孔とスリットが確認できる。この部分には、120mmファン3基、または140mmファン2基が増設可能。ラジエターも最大360mmサイズまでサポートされている。
普通に考えれば、せっかくの装備品であるフロントRGB LED 120mmファン3基はそのままに、ラジエターはトップパネルに装着する事になるだろう。冷却能力の最大値を引き出す360mmサイズラジエターと、搭載される3基の120mmファンを加えると、全体で7基の120mmファンで運用できる計算だ。ここでもドレスアップだけが得意なPCケースではない事がお分かり頂けるだろう。
120/140mmファンいずれもスリットタイプのネジ穴を装備。スリットのストロークは前後が各55mm、中央の3つが各40mm程度。ラジエターまたは冷却ファンのマウントポジションを微調節できる |
フロント部同様、リアにも120mmファンが標準で装備されている。CPUやVRM付近の熱溜まりを解消すべく、PCケース外部へ熱を常時排出を行う役割を果たしている。機能面もさることながら、ASUS「AURA Sync」、GIGABYTE「RGB Fusion」、MSI「Mystic Light Sync」の同期をサポート。各社マザーボードのLEDコントロールユーティリティから、イルミネーションを制御すれば、一体感のあるライティングが楽しめる。
標準装備品は、フロントファン同様のスケルトン仕様15枚インペラ。静音動作でも風量を得るための工夫が羽形状から見てとれる |
なぜかマニュアルや製品サイトでも触れられていない装備が「RGBファン用ハブ」(以下:ハブ)だ。マザーボードトレイ背面にマグネットで固定されたハブには、フロント3基+リア1基の標準ファンが接続された状態で出荷される。実は標準ファンのコネクタは6pinの専用タイプが採用されており、このハブを介さなければ発光も回転もしない。
もう少し詳しく見ると、6pinコネクタは合計8口装備。FSP専用ながら、将来的な拡張の可能性を残している。他にハブにはフロントトップの「LEDコントロールボタン」に接続するケーブル、さらにRGB LEDファンの発光と回転の電力供給を一手に任された4pinペリフェラルコネクタ付きケーブルも装着済みだった。
マグネット固定式の「RGBファン用ハブ」。FSPの文字が大きくプリントされたプラスチック製で、形状もユニーク。なお標準装備品の冷却ファンは専用の6pin仕様で、ハブを介さなければ”なにもできない” |
イルミネーション機能を標準で備えるPCケースには、この手のハブは標準装備品になりつつある。マザーボードの冷却ファン用コネクタを消費せず、さらにケーブルのマネジメントがしやすくなる点は、大きなメリット。なお一般的な4pinタイプのLEDヘッダピンをマザーボードに接続すれば、イルミネーション同期および制御が可能。「CMT520」の装備品を目いっぱい活用するには、これらの存在と接続方法を理解しておく必要がある。