エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.761
2019.08.03 更新
文:pepe
「AORUS KD25F」の応答速度は最小で0.5msとなっているが、「Overdrive」の設定を変えることでどのような変化があるだろうか。OSDのデフォルト値は「Balance」に設定されているが、「Picture Quality」/「Balance」/「Speed」それぞれの違いを「Blur Busters UFO Motion Test」で確認してみよう。リフレッシュレートは240Hzに設定し、その際の映像をデジタルスチルカメラのスーパースローモーションで直接撮影した。
「Picture Quality」/「Balance」/「Speed」いずれの設定においても、残像感に大きな違いは見られなかった。強いて違いを挙げるとすれば、背景色がブラック部分では「Speed」、グレー及びホワイト部分では「Balance」に設定した方が、ごくわずかに画像の安定を感じた。もっともリフレッシュレートが240Hzと高いことから、その影響で残像感が抑えられているのかもしれない。
最後のテストでは、モーションブラーを軽減しFPSゲームなどの照準を合わせやすくする「Aim Stabilizer」の効果を確認しよう。「Adaptive-Sync(FreeSync)」をOFFにして「Aim Stabilizer」をONにすると液晶全体の輝度が下がるが、これはバックライトの強制点滅により黒フレームを挿入し、フレーム更新時の残像を低減させているためだ。テストではリフレッシュレートを240Hzに設定し、「Overdrive」値を「Speed」に設定した際との違いを「Blur Busters UFO Motion Test」で確認する。
「Aim Stabilizer」をONにすることで黒フレームが挿入され、暗転した直後は特にUFO進行方向側の残像が“少なく見える”が、スーパースローモーションでようやく確認できる程度だ。これも240Hzの高リフレッシュレートの恩恵が考えられる。今回のテストでは「Aim Stabilizer」の効果は限定的だったが、特定のゲームタイトルや環境によって左右されることは十分に考えられる。実際の環境や効果に合わせて使い方を考えよう。
つい最近まで120Hzや144Hzあたりがトップエンドとされていたゲーミング液晶のリフレッシュレートだが、いまや240Hz駆動を実現するモデルが台頭してきた。今回の主役である「AORUS KD25F」もその一つ。GIGABYTEにとってはゲーミング液晶の第2弾モデルとあって、やや“初物感”を感じつつ検証に及んだものの、その完成度はかなりのモノだった。
外観はイマドキなゲーミングデザインながら、メタル製のエルゴノミクススタンドにより剛性が高く、調整自在なジョイントアームは、あらゆる角度で抜群の安定性を見せてくれた。ゲーミング液晶としての使い勝手を左右するOSD設定は、デスクトップアプリ「AORUS OSD SIDEKICK」が極めて便利。物理スティックによるOSDメニューも操作性に優れ、ユーザー目線で設計されていることが伝わってくる。
そして一番のトピックである、リフレッシュレート240Hzかつ0.5ms応答のパフォーマンスにより、映像は滑らかで残像感も極めて低い。240Hz駆動時は画面書き換え回数の多さから、「Adaptive-Sync(FreeSync)」をOFFにしてもティアリングの違和感に気付きにくいほどだ。もっとも、当然ながらコンスタントにリフレッシュレート240Hzを実現するには、現状手に入る最もハイエンドなPC構成が要求される。しかしこうした環境で1フレーム当たり0.0041秒を競い合うようなトッププレイヤーにとっては、「AORUS KD25F」が最高の武器になってくれるだろう。
協力:日本ギガバイト株式会社