エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.762
2019.08.06 更新
文:松野 将太
独自ソフトの確認を終えたところで、「P65-9SE-473JP」のベンチマーク結果もチェックしていこう。今回は基礎的な性能検証に加え、ゲーム系ベンチマークや画像・動画編集ソフトでのパフォーマンスも検証している。なお計測にあたり、「Creator Center」で適用できるプロファイルは「高性能」を選択した。
まずは、CPUの処理性能を測る定番ベンチマーク「CINEBENCH R15」および最新版の「CINEBENCH R20」の結果を確認する。
CINEBENCH R15のスコア |
CINEBENCH R20のスコア |
数世代前のデスクトップPCで「CINEBENCH R15」を回した経験がある人なら、ノートPC向けながら物理6コアCPUである「Core i7-9750H」の優秀さがよく分かるだろう。4コア/8スレッド時代のCPUではマルチスレッドテストで1,000cbを超えるのも困難だったが、「Core i7-9750H」は1,000cbのラインを軽々と超えている。「CINEBENCH R20」では基準となる数値こそ変わるものの、スコアの傾向的にはほぼ同じだ。さすがにシングルテストの値はやや低いが、一般的なクリエイター向け用途でもCPUが足を引っ張るシーンは少ないだろう。
CPUの次は、ストレージのベンチマーク結果を見てみよう。テストには「CrystalDiskMark 6.0.2」と「ATTO Disk Benchmark 4.00」を使い、SSDの速度を確認している。なお、「CrystalDiskInfo 8.2.0」で確認したところ、サンプル機材に内蔵されていたSSDは、Samsungの「MZVLB512HAJQ-00000」だった。公称転送速度はシーケンシャルリード3000MB/sec、シーケンシャルライト1800MB/sec。
「CrystalDiskInfo 8.2.0」で取得したSSDの情報。接続はPCIe 3.0×4だ | 「CrystalDiskMark 6.0.2」、データサイズ1GiBでのテスト結果。シーケンシャルの転送速度は公称値を超え、ランダムもSATA接続のSSDを大きく上回る速度が出ている |
「ATTO Disk Benchmark 4.00」では、シーケンシャルリードがデータサイズによって若干不安定な数値を出しているものの、速度自体はおおむね2500MB/sec超えで問題なし。シーケンシャルライトはほぼ1800MB/secで安定していた |
続いて、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.9.6631」の結果を確認していく。まずはDirectX 12対応のテスト「Time Spy」だ。プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
Time Spyのスコア |
「Time Spy」ではそれなりの値が出ているものの、さすがに4K解像度の「Time Spy Extreme」は厳しい結果となっている。アッパーミドル帯のGPUであるRTX 2060は、フルHDからWQHD解像度までのゲームプレイを想定して開発されているため、デスクトップ版より若干クロックが下がるノート向けGPUで4Kゲーミングを狙うのは少々欲張りすぎと言っていい。「P65-9SE-473JP」は4Kディスプレイを採用するものの、ことPCゲームに関してはその真価を発揮できるとは言い難いだろう。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
Fire Strikeのスコア |
フルHD解像度では十分すぎる結果が出ており、WQHD以上の解像度ではさきほどの「Time Spy」とスコアの傾向がほとんど一緒だ。個人的には、この筐体のコンパクトさでフルHD解像度のゲームが遊べるだけでも十分という気はするので、4K解像度でのプレイが厳しいことを悲観する必要はあまりないように感じる。