エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.763
2019.08.09 更新
文:pepe
次に消費電力を確認していこう。高負荷時はこれまでと同じ負荷テスト実行中の数値、アイドル時は起動後システムが安定するまで5分放置した際の数値を採用している。
各種ベンチマークテストで上回るFMV「LIFEBOOK AH43/D1」だが、アイドル時、高負荷時とも消費電力は低く、ワットパフォーマンスの観点からもRyzen 3 2300Uの方が優れている事がわかる。
最後は冷却ファンの騒音値をチェックしていこう。測定ポイントは実際にノートPCを使用する位置を想定し、正面から約30cm離れた位置に液晶へ向けてデジタルサウンドメーターを設置している。なお測定条件はこれまでと同じで、暗騒音値は41.0dBAだった。
アイドル時はいずれも暗騒音と同じで、周辺の騒音に紛れてしまうレベル。また高負荷時の騒音はわずかだがFMV「LIFEBOOK AH43/D1」が低い結果となった。ただし実際にテストをしていると、FMV「LIFEBOOK AH43/D1」方がファンの回転数が高くなるタイミングは早かったことを付け加えておく。
AMDからはすでにモバイル向けのRyzen 3000シリーズが登場しており、FMV「LIFEBOOK AH43/D1」に実装されるRyzen 3 2300Uは最新の製品ではない。しかし今回の検証結果から分かる通り、CPU、GPUとも先代モデルを完全に圧倒し、その実力はなかなかのもの。さらにSSDが標準装備されたことで、ストレージ性能も飛躍的に向上。OSやアプリケーションの起動時におけるストレスも大きく改善されている。
グラフィックス性能を最大限に発揮することができないシングルチャネルのメモリや、最近のモデルではやや低い解像度など気になる部分はあるが、メモリについてはユーザーによる増設が可能。また解像度については、どうしても気になるならRyzen 7 2700Uを搭載するカスタムメイドモデルを選択するといい。
一般的な作業には十分なパフォーマンスを備えつつ、「Office Home & Business 2019」や「ATOK 2017 for Windows」などソフトウェアも充実。それでいて実売価格10万円前後という低価格を実現しているFMV「LIFEBOOK AH43/D1」は、特にコストパフォーマンスを重視する新社会人や学生には気になる存在になりそうだ。
協力:富士通クライアントコンピューティング株式会社