エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.764
2019.08.11 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
ここからは、「Ion+ 860P」のフレームを開封し、その内部構造を確かめていく。一般的な電源ユニットとはやや勝手が異なる開封方法に戸惑いつつ、上下フレームを分離させたところ、整然と各種部材が詰め込まれた内部構造にアクセスできた。イマドキの電源ユニットらしく、ほぼケーブルのないスッキリした設計が目を引く。
なお冒頭触れたように、コンデンサには優れた信頼性をもつ日本メーカー製の105℃品を採用。過電力保護(OPP)、過電圧保護(OVP)、短絡保護(SCP)、電圧不足保護(UVP)、過電流保護(OCP)、温度超過保護(TOP)など、6種類の保護回路を搭載している。
ワランティシールを剥がしただけでは開封できなかった「Ion+ 860P」。あちこちのネジを外して試行錯誤することしばし、横長のFractalシールの裏に分解用のネジが隠れていた |
分解にだいぶ時間を要してしまったが、ようやくファンを収めた上部フレームを分離させることができた。逆にここまで念の入ったフレーム設計には感心しきりだ |
さすがは高品位の電源ユニットといえる、整った内部設計。ケーブルの類はほとんどなく、通気性も良好のようだ |
AC電力を取り込む入力部には、突入電流や各種ノイズを防ぐフィルターを備えている | 一次側の整流回路からアクティブPFC回路へと続くエリア |
一次側の平滑回路からスイッチング回路に続くエリア。周囲には、発熱の大きなスイッチング回路のMOSFETを冷却するヒートシンクが並んでいる |
一次側の平滑回路には、大容量の日本メーカー製コンデンサが実装されている |
やや側面に寄った場所に配置されていたメイントランスと、その脇に実装されているサブトランス |
ヒートシンクが装着された二次側の整流回路。トランスが変圧した電力を再度整流する | 二次側の平滑回路にも日本製コンデンサを採用。耐熱性と高速応答が要求されるため、固体コンデンサも実装されていた |
二次側の平滑回路のすぐ脇にあるファンコネクタ。140mmファンはここに接続されていた | 一次側平滑回路のコンデンサ脇に実装されているのは、セミファンレス機能「Zero RPMモード」用の基板だ |
中央奥に実装されている、DC-DC変換基板。その後ろには、モジュラーコネクタ用の基板が確認できる |
ユニットの冷却を担う、140m口径の静音ファン「Dynamic Series 140mm」。ファンをカバーする上部フレームを見るだけで、かなり攻めたショートデザインであることが分かる |