エルミタ的「編集部で使ってみた」
2019.08.14 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
続いては、実際のゲームプレイ時の挙動を確かめてみよう。検証にあたっては、「3D高画質」設定時に暴力的な発熱になることで知られている「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」を実行した。画質を盛った状態では、最新iPhoneでも(発熱が原因で)長時間の快適プレイは望めないほど。はたしてペルチェクーラーの強制冷却で改善できるだろうか。
クーラー稼働前 |
クーラー稼働状態 |
温度分布を比較すれば、その違いは明らかだ。クーラー稼働により熱源中心の高温域が大きく狭められ、低温を示す青色のエリアが広く出現するまでに発熱の波及が抑えられている。「3DMark」を超えるほどの最大温度もクーラーの稼働で4℃近く低下するなど、狙い通りの冷却パフォーマンスを発揮してくれた。これなら長時間リッチな画質設定で遊び続けることも可能だろう。端末が冷たくなることで、グリップ時の快適性も大きく改善している。
このクーラーを必要とするかどうかは、まさにユーザー次第という言葉がピッタリだ。ライトな使い方ではまったく必要とされることはないが、発熱するコンテンツを頻繁に遊んでいるなら話は別。これほど強力な冷却性能があれば、プレイの快適度は段違いに変わってくる。
特にスマートフォンゲームでは、度々開催されるイベントで長時間の周回をこなす(いわゆる“イベントを走る”)ことを求めれる。そうした際に爆熱ゲームの“ガチ勢”のほとんどは画質を下げるなりして発熱をマネジメントしているハズだが、できれば高画質で遊びたいというのが人情。ペルチェクーラーの強力な冷却性能なら、その願望が簡単に実現できる。熱ダレによるカクつきで不覚をとる、というシチュエーションともサヨナラだ。
爆熱コンテンツを抑えこむ、強制冷却能力が魅力のペルチェクーラー。使い方次第で結露も気にならない |
そして当初デメリットになると考えていた「結露」については、結局は杞憂に終わった。ペルチェ素子の性質上“冷えすぎ”の際に結露が発生するため、基本的にベンチやゲームを動かしている(しっかりした熱源がある)状態では、結露が発生しなかった。冷却を必要としない状況ではクーラーを取り外すなど、運用で十分に対処できるだろう。
それで実際の売れ行きはというと、かなりの発注を入れてもなお追いつかないほど、好調に売れているという。ヘビーユーザーがそれほど多いということに驚きもあるが、スマートフォンの冷却を極めようという向きには、まさにうってつけのアイテム。爆熱コンテンツを快適に乗りこなすためには、こうした装備が必要というワケだ。
協力:上海問屋(株式会社サードウェーブ)