エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.765
2019.08.15 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
Deepcool「CASTLE 240RGB V2」(型番:DP-GS-H12AR-CSL240V2) 実勢売価税込13,000円前後(2019年6月28日発売) 製品情報(Deepcool/株式会社アスク) |
水冷ユニットを使う上で、最も懸念される液漏れ。最近のオールインワン水冷ユニットは完成度が上がり、その心配はほとんどなくなっている。しかし万が一発生すると水冷ユニットだけでなく、CPUやマザーボード、グラフィックスカードなど、PC全体に被害が及ぶ可能性が高いため、やはり導入をためらってしまうという人もいることだろう。そんな不安を解消すべくDeepcoolが開発したのが「Anti-leakテクノロジー」だ。
「Anti-leakテクノロジー」では、リザーバータンク部に「圧力解放袋」を実装。内圧が増えると自動的に縮み、内圧を下げることができるという |
その仕組みは、クーラント液の温度上昇により、ラジエターの内部でガスが発生して内圧が一定量を超えると、弾力性・耐腐食性・耐老化性のあるEPDMゴム製の「圧力解放袋」が縮み、リザーバータンクの内容量が増加。これにより圧力が開放されて液漏れを防止できるというもの。
Deepcoolの社内テストによると、「Anti-leakテクノロジー」を使用することで、長時間高負荷状態が続いた場合でも、内圧の上昇をほぼ解消することができるという |
さらに弾力性・気密性に優れる高級ゴム素材に、耐圧性を高めるファイバークラッド加工を施した「ウォーターチューブ」や、放熱・凍結防止・腐食防止を実現するために独自配合した「プレミアムクーラント液」などを採用することで、液漏れの危険を可能な限り抑えるよう設計されている。
耐久性を高めるため、デュポン製EPDMゴムの「圧力解放袋」や、高品質なブチルゴム(IIR)素材の「ウォーターチューブ」、独自配合の「プレミアムクーラント液」など、厳選した部材を使用する |
「CASTLE 240RGB」の後継モデルに位置づけられる「CASTLE 240RGB V2」。「Anti-leakテクノロジー」を搭載したラジエターを採用するのが最大の違いだ |
この「Anti-leakテクノロジー」を採用するオールインワン水冷ユニットが、今回の主役である「CASTLE 240RGB V2」だ。ゲーミングブランド「GAMER STORM」に属する製品で、ウォーターブロックの上部と冷却ファンには、「16.7M True color flowing RGBシステム」と呼ばれるアドレサブルRGB LEDを標準装備。付属の有線コントローラまたは、各社マザーボードのユーティリティによる制御に対応し、色鮮やかなイルミネーションPCを構築することができる。
Deepcool「MACUBE 550」のような、マザーボードトレイ右手のエリアにラジエターを搭載できるPCケースを使えば、冷却ファンのイルミネーションをより印象的に魅せることができる |
また受熱ベースには、熱伝導効率に優れる全銅製の「大型ベースプレート」と、CPUの熱を素早くクーラント液に伝える「マイクロフィン構造」を採用。さらに高流量な「高効率インダクションモーター」や高い水圧を生み出す「クローズドインペラ」、熱循環効率と放熱面積を高める「E字型マイクロ水路設計」のアルミニウム製ラジエターの組み合わせにより、冷却性能を高めている。
ウォーターブロックには、ヒートスプレッダ全面を覆う全銅製の「大型ベースプレート」を搭載 | 「E字型マイクロ水路設計」を取り入れた240mmサイズラジエターを採用 |
対応プラットフォームは、IntelがLGA2066/2011-3/2011/1366/1155/1151/1150、AMDがSocket TR4/AM4/FM2+/FM2/FM1/AM3+/AM3/AM2+/AM2で、現行ほぼすべてのPCで利用可能。なおバリエーションモデルとして、ラジエターサイズを360mmにした上位モデル「CASTLE 360RGB V2」が用意されている。