エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.766
2019.08.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ASRock「AB350M Pro4」(画像左/2017年3月発売/製品情報) ASRock「B450M Pro4」(画像右2018年7月発売/製品情報) |
2017年3月に登場した14nmプロセスの初代、2018年4月に登場した12nmプロセスの第2世代、そして2019年7月に登場した7nmプロセスの第3世代と、CPU自体に大きな変化がある一方で、3世代にわたりSocket AM4プラットフォームを使い続けている、AMDのメインストリーム向けCPU「Ryzen」シリーズ。
登場からすでに約2年半が経過し、メインストリーム向けとしては息の長いプラットフォームになったSocket AM4。チップセットによって、利用できるCPUに若干違いはあるものの、世代を超えて互換性が維持されているのは嬉しい |
新CPUの登場に合わせて、その都度チップセットも刷新され、AMD 400シリーズでは、自動オーバークロック機能の「XFR2 Enhanced」「Precision Boost Overdrive」や、ストレージ高速化技術「StoreMI」が、AMD 500シリーズでは、コンシューマ向けプラットフォームでは世界初となるPCI-Express4.0の対応が追加されている。
第3世代Ryzenに合わせて登場したAMD X570チップセット。搭載モデルは、電源周りなどの最適化も行われているため安心して使えるが、価格も高め。旧世代のモデルを流用したい人も多いのではないだろうか |
その一方で、下位互換が維持されており、同じマザーボードを長く使い続けることができるのもSocket AM4プラットフォームの大きな魅力。実際、AMD 400/300シリーズを搭載するマザーボードの多くが、BIOSをアップデートするだけで第3世代Ryzenシリーズに対応するため、アップグレードを検討しているという人も少なくないはずだ。
チップセットのCPU互換表。AMD 300シリーズについては、AMDが正式に対応を謳っているわけではないが、メーカーが独自にBIOSを提供することで、第3世代Ryzenシリーズが動作する製品が多く存在する |
しかし、プロセスの微細化やコア数の増加、さらにはSIMDバス幅の改善など、大幅な変更が加えられた第3世代Ryzenシリーズ。その最適化が施されていないマザーボードでも、性能を最大限に引き出すことはできるのだろうか。そこで今回は、敢えて旧世代のコストパフォーマンスモデルで、12コア/24スレッドの現行最高峰モデルRyzen 9 3900Xを動かし、その挙動を確かめてみることにした。