エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.767
2019.08.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
GIGABYTE「X570 I AORUS PRO WIFI」 市場想定売価税込32,000円前後(2019年7月7日発売) 製品情報(GIGABYTE) |
第3世代Ryzenシリーズの勢いに乗るように、順調にラインナップを増やしているAMD X570マザーボード。しかし、もともとハイエンド向けチップセットということもあり、スペースの関係でどうしても機能が制限されるMicroATXやMini-ITXフォームファクタの製品はごくわずかしかない。そんな貴重なモデルの1つが、今回の主役であるGIGABYTE「X570 I AORUS PRO WIFI」だ。
最大16コア/32スレッドのマルチスレッド対応や、Intel Core i9-9900Kにも対抗できるシングルスレッド性能など、大幅に強化された第3世代Ryzenの性能を最大限に引き出すため、電源回路にはハイエンドモデルと同じダイレクト駆動のデジタル電源回路を採用。さらに大型のヒートシンクと高熱伝導率パッドを組み合わせることで、エアフローが厳しいコンパクトなPCケースでも十分な冷却ができるよう配慮されている。
AMD X570マザーボードとしては、電源フェーズ数が少なく感じるかもしれないが、ダイレクト駆動設計とサーバーグレードの高品質パーツにより、ハイエンドモデルと遜色ない出力が可能という |
またハイエンドゲーミング「AORUS」シリーズを標榜するだけあり、ゲーマー向け機能も充実。ネットワークはIntelチップによるギガビットLANに加え、最近対応ルーターが増えているWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)の高速無線LANカードを標準装備。オーディオチップは、「Smart Headphone Amp」機能を備えたRealtek製ハイエンドIC「ALC1220-VB」で、魅せる要素としてのイルミネーション機能「RGB Fusion 2.0」にももちろん対応する。
Mini-ITXとしては大きい、実測270×235×95mmサイズのパッケージ。表面には「AORUSイーグル」が、裏面には対応する機能がびっしりと記載されている |
拡張面では、メモリスロットは2本、拡張スロットもPCI-Express4.0(x16)の1本のみ(ワイヤレスカード用M.2スロットは搭載)で、Mini-ITXフォームファクタなりの制限はある。しかし、RAID構築にも対応する2基のPCI-Express4.0(x4)接続M.2スロットや、帯域幅10GbpsのUSB3.2 Gen.2ポート(Type-A/Type-C)など、高速インターフェイス類は充実している。
ダイレクト駆動設計の電源回路と同じく、E-ATXの最上位とATXの最上位のみに採用される「ベースプレート」も実装。なお基板には、PCI-Express4.0の信号ロスを抑えるため、高品質な8層PCBを採用する |
その他、M.2 SSDとチップセットをまとめて冷却する「M.2 Thermal Guard Multi-Layered Heatsink」、装甲仕様のメモリスロット「Ultra Durable Memory Armor」やPCI-Expressスロット「Ultra Durable PCIe Armor」、基板裏面を守る「ベースプレート」、ミドルレンジ以上のモデルでは標準装備になりつつある一体型I/Oパネル「Integrated I/O Shield」などの独自機能を搭載する。