エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.767
2019.08.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
基板の表・裏それぞれにM.2スロットを搭載する「X570 I AORUS PRO WIFI」。前者はCPUに、後者はチップセットへと接続されているが、パフォーマンスに違いはあるのだろうか。PCI-Express4.0に対応するNVMe M.2 SSD「AORUS NVMe Gen4 SSD」を使い検証してみることにした。
全銅製の大型ヒートシンクを搭載する「AORUS NVMe Gen4 SSD」。表側のスロットにも問題なく装着できるが、「M.2 Thermal Guard Multi-Layered Heatsink」と干渉して一部が浮いてしまった |
なお表側のスロットには、標準で「M.2 Thermal Guard Multi-Layered Heatsink」が装着されているが、ネジ留めを行うと「AORUS NVMe Gen4 SSD」のヒートシンクが干渉し、一部が浮いてしまう。そこで今回は、「M.2 Thermal Guard Multi-Layered Heatsink」を取り外した状態で検証を行っている。
表側のM.2スロット(M2A_SOCKET)の「CrystalDiskMark 6.0.2」スコア | 裏側のM.2スロット(M2B_SOCKET)の「CrystalDiskMark 6.0.2」スコア |
「CrystalDiskMark 6.0.2」のスコアを見ると分かる通り、接続するスロットによるパフォーマンスの影響はない。ただし、SSDの温度については、表側のスロットはCPUファンからの風が吹き付けるため高負荷時は5℃低くなった。とは言え、裏側のスロットでも最高値は57℃で頭打ち。「AORUS NVMe Gen4 SSD」のような高性能ヒートシンクを搭載するSSDなら、わざわざヒートシンクを外して表側のスロットに搭載するのではなく、素直に裏側のスロットを利用したほうがいいだろう。
【50MiB】 | 【1GiB】 |
【4GiB】 | 【32GiB】 |
せっかくなので「CrystalDiskMark 6.0.2」のデータサイズ別のスコアも簡単に紹介しておこう。シーケンシャルアクセスの最高値は読込が最高5,002MB/sec、書込が最高4,270MB/secで、ほぼ公称値通り。せっかく第3世代RyzenとAMD X570の最新環境を使うのであれば、やはりPCI-Express4.0接続のSSDは導入したいところ。コストを抑えたいなら、書込速度は2,500MB/secに制限されるものの、20,000円前後で購入できる500GBモデル「GP-ASM2NE6500GTTD」がおすすめだ。
PCI-Express4.0などの新機能によって、消費電力が増加したAMD X570チップセット。現行ほぼすべてのマザーボードに、チップセットファンが搭載されているのはご存知の通り。「X570 I AORUS PRO WIFI」でも、冷却ファン付きヒートシンクを採用しているが、一般的なATXモデルより口径が小さく、その冷却性能は気になるところ。そこで、ここでは「Smart Fan 5」から「Balance」「Silent」「Performance」の3種類のプリセットを選択し、その温度をチェックしてみることにした。
チップセットファンの回転数は「Balance」(画像上/デフォルト)、「Silent」(画像左下)、「Performance」(画像右下)の3種類のプリセットから選択できる |
ファンの回転数は「Balance」で2,300~2,800rpm前後、「Silent」ではファンが回転せず、「Performance」で4,500rpm前後と大きな差がついた。一方、温度はアイドル時が49℃、高負荷時が「Balance」「Performance」で52℃、「Silent」でも54℃とほとんど変動がなかった。これはおそらく、CPUクーラーから吹き付ける風の影響で、チップセットも効率よく冷却されていたためだと思われる。少なくともトップフロークーラーを使用しているなら、チップセットの冷却不足を心配する必要はない。また騒音についてだが、こちらもリテールクーラーのノイズのほうが遥かに大きく、「Silent」と「Performance」でもその違いを明確に判別できなかった。