エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.776
2019.09.21 更新
文:松野 将太
セッションの最後に、システムの消費電力と騒音値をチェックしておこう。テスト方法はさきほどの温度計測と同じく、「3DMark」の「Night Raid Stress test」を動作させた際の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として採用し、計測はワットチェッカーで行っている。
アイドル時は約10W、高負荷時は35~40W前後と、2つのPCに大きな違いは見られなかった。ベンチマークで2~3倍の性能差がつくことを考えれば、「IdeaPad 330」の優秀さが光る結果と言えるだろう。
騒音値は、暗騒音値34.6dBの部屋で、デジタル騒音計をPCの正面から約30cm離れた位置に設置して計測。これまでと同じく、「3DMark」の「Night Raid Stress test」を動作させた際の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として採用している。
アイドル時はどちらのPCも暗騒音に紛れるほどの駆動音だが、比較機の場合はHDDにアクセスがあった場合にシーク音が鳴り、多少の騒音値の上昇があった。高負荷時は「IdeaPad 330」の騒音値が38dB、比較機が42.2dBで、どちらもファンの音が聞こえてくるものの、「IdeaPad 330」のほうが静粛性は高い。
検証を通して、あらためてここ最近のノートPCのポテンシャルには驚かされた。ひと昔前のデスクトップPCに比肩するレベルの性能を発揮でき、ちょっとしたPCゲームを楽しめるほどのグラフィックス性能を備えたRyzen Mobileは、カジュアルユーザーのメインPCとしてはもちろん、サブPCとして選択するにもうってつけだろう。
CPU以外の面でも、15.6インチのフルHDディスプレイ、8GBメモリ、SSD、光学ドライブ搭載といった「IdeaPad 330」の隙のない構成、6万円代前半という絶妙な価格設定は大いに評価に値する。あらたにPCを購入する場合はもちろん、古いPCをなんとか使っているという人も、この機会に買い替えを検討してみて損はないだろう。
協力:レノボ・ジャパン株式会社