エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.777
2019.09.23 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
8月より国内市場での販売が開始された、Micro-Star Int’l Co.,Ltd.(MSI/本社:台湾)の新型PCケース「MPG SEKIRA 500」シリーズ。その名の由来は、スラブ神話に登場する最高神・ペルーンが手にする戦斧「SEKIRA」だとされる。特に今回の主役である「MPG SEKIRA 500X」のフロントパネルには、戦斧の切っ先による傷跡を斜めにデザイン。鋭い切り口が全体にシャープな印象を与えている。思えば「ラッキーくん」はドラゴンだ。どうやらMSIは神話に由来するキャラクターを好むようだ。
MSI「MPG SEKIRA 500X」 市場想定売価税抜29,900円(2019年8月2日発売) 製品情報(MSI) |
「MPG SEKIRA 500」シリーズは2019年5月22日にプレスリリースが配信され、エルミタ誌上で初掲載。さらに「COMPUTEX TAIPEI 2019」のMSIブースでは実機が披露され、詳細レポートをお届けしている。
MSI製マザーボードとグラフィックスカードで構築されたデモ機。「COMPUTEX TAIPEI 2019」では、シリーズ3モデルが展示された |
なお「MPG SEKIRA 500」シリーズは3モデル構成。今回取り上げる「MPG SEKIRA 500X」の他に、フロントパネルデザインにさりげなくゴールドがあしらわれた「MPG SEKIRA 500G」(市場想定売価税抜24,500円/8月2日発売)、さらにワークステーション構築にも向く最もシンプルな「MPG SEKIRA 500P」がラインナップするが、執筆現在「500P」のみ国内での販売はアナウンスされていない。
シリーズ3モデルの違い。ベース筐体から派生した3つのコンセプトで選択肢を用意※国内では2モデルのみ(2019年9月現在) |
ここで今回取り上げる「MPG SEKIRA 500X」の概要を、スペック表から読み解こう。外形寸法は幅が232mm、奥行きが530mm、高さが545.5mmで、表記上ミドルタワーPCケースに分類されている。とは言えかなり大型で、重量は19.85kgにもおよぶ。
近頃のPCケースは強化ガラスの多用により、どうしても重量がかさんでしまう。重いガラスを支えるだけのシャーシ剛性も必要で、おのずと頑丈な作り=重量過多になりがちだ。比例して、パッケージサイズも実測で幅約345mm、奥行き約690mm、高さ約630mmと大型で、カートが無ければ店頭からの持ち帰りは厳しいだろう。なお対応フォームファクタはE-ATX、ATX、MicroATX、Mini-ITX。見るからに広い内部容積から、ハイエンド志向のシステム構築に向く筐体と考えていい。