エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.777
2019.09.23 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
外装周りに続き、内部構造をくまなく見ていく。いつものように検証を進めるにあたり、まずは強化ガラス製スイングドアを取り外しておこう。2つのヒンジで開閉するサイドパネルは、開いた状態で上方向に持ち上げればヒンジから外れる仕組み。工具不要で簡単に取り外しができるため、組み込みやメンテナンス作業の際はトラブルを避けるべく、外装パッケージの中などに保管しておこう。
左側面のメインエリアからチェックを進めて行く。まずはマザーボードトレイだ。E-ATXまで搭載できる大型PCケースとあって、いかにも面積は広い。シャドウベイユニット等の構造物が無いため、開口部も広く、マザーボードの搭載作業は楽に行う事ができそうだ。なおトレイ部には出荷時より計9本のスタンドオフ(黄色い丸印)が装着済みだった。
イマドキPCケースの流れを汲む設計は、ボトムカバー(シュラウド)の存在からも見て取れる。「MPG SEKIRA 500X」の場合、フロントからリアにわたりボトム部全てをカバー。内部には後に解説する電源ユニットやシャドウベイユニットが格納されている。これらをカバーで広く覆い隠すことで、見映えが悪くなる煩雑なケーブルの多くを露出せず済む。魅せるPCケースではなおさらのこと、重要な意味を持つ存在がボトムカバー(シュラウド)だ。
次に「MPG SEKIRA 500X」のエアフローレイアウトをチェックしてみよう。恐らく4面で使用されている強化ガラスの素材の特性から、密閉型に見えてしまうだろう。一方で要所には風の取り込みや排出を行う通気孔を設け、デザインからくる懸念を払拭させている。ここからは標準で装備された冷却ファンレイアウトを中心に、筐体内部の風の流れを把握しよう。
フロントパネルを外すと、シャーシ面には200mmファンが2基標準で装備されている。一見密閉されたフロントパネルだが、両側面縦列に設けられたメッシュ仕様の通気孔から、フレッシュな外気を取り込む仕組み。ちなみに2基のファンは異なり、フロントパネルに隠れる上段には非発光ファン、強化ガラスで露出する下段にはARGB LEDファンが装備される。コネクタはいずれも4pin仕様だった。
なおこの部分には、最大280mmサイズラジエターが搭載可能。つまり、120mmファンまたは140mmファンが最大3基搭載できるスリット(ネジ穴)も用意されているというワケだ。