エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.780
2019.10.02 更新
文:松野 将太
ゲーム系セッションの最後に、DirectX 12 APIを利用した最新タイトル「Gears 5」でも結果を見てみよう。画質プリセットは“最高”を選択し、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類で計測。ゲーム内ベンチマークモードを利用し、平均フレームレートと最小(Min 5%)フレームレートを取得した。
WQHD解像度でも最小フレームレートが60fpsを割ってしまうのは最新の重量級タイトルならでは。とは言え、平均フレームレートは75fps前後ということで、プレイ自体は快適だろう。4K解像度のフレームレートは平均40fps、最小30fps前後。コンシューマー機とほぼ同等で、快適さは微妙なところだ。
セッションの最後に、システムの消費電力とGPU温度をチェックしておこう。テスト方法は、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を動作させた際の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として採用し、計測はワットチェッカーで行っている。
アイドル時の消費電力は60W程度で、高負荷時の最大値は350W程度と比較的高めだが、スペック的には妥当なところ。400Wを超えない範囲に収まっているので、昨今のスタンダードと言える容量600Wクラスの電源ユニットであれば、問題なく扱えるだろう。
冷却性能についても見てみよう。今回は、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」実行時の温度の推移を「HWiNFO 64」で取得している。
どちらのモードでもGPU Temperatureの値は常に70℃を下回っており、冷却性能は極めて優秀と言っていい。かなりの余裕があるため、より高い動作クロックにマニュアルOCする際でも、GPU温度が大きな問題になることはなさそうだ。GPU Hot Spot Temperatureは最大でも85℃前後と、こちらも大型のVGAクーラーを採用した効果がよく表れている。
「ROG-STRIX-RX5700XT-O8G-GAMING」は、ファクトリーOCによる優秀な性能と十分な冷却機能に加え、ユーティリティを使ったクロック調整、デュアルBIOSやLED制御などの機能性の高さなど、あらゆる要素を高水準で兼ね備えた魅力的なモデルだ。実勢価格は62,000円前後と、多くのモデルが50,000円台のRadeon RX 5700 XTの中ではやや高価だが、価格に見合うだけのポテンシャルを備えた製品であることは間違いない。
昨今は第3世代Ryzenの人気ぶりの影響もあって、AMD環境で揃えた自作PCを構築したいという“AMDer”の機運が高まっている印象を受ける。そのようなコアユーザーにとって、このモデルは鉄板のチョイスとなるはずだ。
協力:ASUS JAPAN株式会社