エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.788
2019.10.21 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
ギミック満載のPCケースだが、外観デザインは意外なほどシンプルだった。次に「ENTHOO LUXE 2」の内部構造に迫っていこう。5月に行われた内覧会では、各々の特徴をアピールした3パターンの組み込み済みPCが展示されていた。自在に変化する内部設計をじっくり解説する。
強化ガラス製左サイドパネルを取り外し、マザーボードトレイを見ていこう。フルタワーのゆったりとした内部容積により、マザーボード搭載スペースは一般的ミドルタワーPCケースよりも明らかに広い。SSI-EEBおよびE-ATXからMini-ITX規格までをフォローするトレイには、あらかじめ9本のスタンドオフが装着済み。うちセンターポジションの上段と中段は、マザーボードの位置決めができる、段差付きのスタンドオフが使用されていた。
フォームファクタ毎に用意されたマザーボードトレイ上のネジ穴。赤い丸で囲んだ部分にスタンドオフが装着されている |
現在主流となる設計と言えば、内部の3分の1ほどを占有するボトムカバー(シュラウド)だろう。電源ユニットやシャドウベイ(ケージ)を別室に分離させるスタイルは、多くのPCケースに採用されている。だが「ENTHOO LUXE 2」では”それらしきもの”は存在するものの、下部全体を覆うカバーは装着されていない。
仮に「電源ユニット収納ボックス」と名付けよう。内部には電源ユニットを縦置きでマウントし、強化ガラス製左サイドパネルからは、ブラインドの状態にしている。フロント側末端はなだらかなカーブにデザインされ、最大部で奥行きは約350mm、幅は約70mmだった。なお取り外しは考慮されていないようだ。
設計思想のひとつである「ULTIMATE COOLING」、冷却ファンレイアウトを解説しよう。冷却ファン搭載ポジションは合計5箇所にもおよび、いずれもラジエターが設置できるようになっている。ハイエンド志向のPCパーツが複数搭載できる高い冷却能力は、「ENTHOO LUXE 2」の大いなるアピールポイントだ。
フロントパネル内側の防塵フィルタを外すと、シャーシ側に広い開口部があらわになる。ここには120mmファンが4基、または140mmファンが3基増設が可能。ラジエターは120/240/360/480mmサイズ、および140/280/420mmサイズが設置できる。CPUソケットと距離が離れていること、さらに「ENTHOO LUXE 2」がハイエンド志向のPCケースである事から、DIY水冷に特化したラジエター設置ポイントとなるだろう。ちなみに正面左下には円形の穴が設けられている。ここは直径20.5mmの「DRAIN PORT」で、Phanteksの「PH-PTF_BK/CR_G1/4」「PH-PG_BK/CR」「PH-BVA_BK/CR_G1/4」等のDIY水冷パーツが装着できる。