エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.791
2019.10.29 更新
文:松野 将太
セッションの最後に、システムの消費電力とGPU温度をチェックしておこう。テスト方法は「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」を動作させた際の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として採用し、計測はワットチェッカーで行っている。
高性能化により、負荷が高まった時だけでなく、アイドル時の消費電力もGeForce GTX 1660 SUPERを搭載した場合が明らかに増加している。最高値に至っては約50Wほど高く、性能だけでなく、消費電力もほとんど別物と化していると言ってよさそうだ。とはいえ、システム全体で300Wを超えない範囲にまとまっており、大容量の電源ユニットは必要としない。
同じVGAクーラーを使った製品ということで、温度の差も見てみる。「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」実行時の温度の推移を「HWiNFO 64」で取得した。
GeForce GTX 1660のGPU温度はセンサー読みで最高72℃、GeForce GTX 1660 SUPERは81℃と、こちらも10℃ほど温度が上がっている。性能の上昇幅を考えればやむを得ないものの、より継続して負荷がかかる状況ではさらに高温になる可能性もあり、シングルファン搭載モデルの冷却に関してはややタイトな印象だ。
「GeForce GTX 1660 SUPER」は、無印のGeForce GTX 1660から性能を大きく引き上げ、フルHD環境やWQHD環境でのゲーミング体験をより安定させる、ミドルクラスGPUの新定番とも言えるGPUだ。特にGeForce GTX 1660と比較した場合、流行りのハイリフレッシュレート液晶の恩恵を受けやすくなっているのは大きなメリットと言える。多くのモデルは30,000円台前半で購入でき、コスパ派のゲーマー、学生ゲーマーにとっては非常に魅力的な選択肢となり得るだろう。
ASUS「PH-GTX1660S-O6G」に関しては、コンパクトサイズながらパワフルな性能を発揮するということで、フルHD環境をターゲットにした通常のゲーミングPCはもちろん、MicroATXやMini-ITXフォームファクターなど、比較的小型のゲーミングPC自作でも活用できる。Maxwell世代のGTX 900シリーズ以前のGPUを使用中で、買い替えタイミングを見計らっているユーザーも多いと思われるが、この機会に検討してみるのがいいかもしれない。
協力:ASUS JAPAN株式会社
NVIDIA Corporation