エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.792
2019.11.01 更新
文:松野 将太
まずは、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.10.6797」の結果を確認していこう。DirectX 12対応のテスト「Time Spy」では、プリセットはWQHD(2,560×1,440ドット)解像度の「Time Spy」、および4K解像度(3,840×2,160ドット)の「Time Spy Extreme」を選択している。
リファレンスモデルよりも動作クロックが高めに設定されていることもあり、Radeon RX 5700 XTの搭載カードとしてはトップクラスの性能を発揮できるモデルと言って差し支えないだろう。なお、どちらのテストでもDefault時よりOC Mode時のほうがわずかに高いスコアが出たものの、その差はごくわずか。そもそもの動作クロックが高いため、伸びしろは少ないと言える。
続いてはDirectX 11対応テストである「Fire Strike」のスコアをチェックする。プリセットは4K解像度の「Fire Strike Ultra」、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)の「Fire Strike」の3種類を選択した。
こちらもスコア自体は優秀で、モード別のスコア差はほぼ1%未満にとどまる。「Radeon RX 5700 XT」はWQHD解像度でのゲーミングを想定したGPUだが、「Fire Strike Extreme」のスコアは10,000超え。「Graphics test1」のフレームレートも66fpsと60fpsを超えており、実際に快適な動作が期待できそうな値が出ている。4K解像度のテストであるFire Strike Ultraでは、「Graphics test1」のフレームレートが34fpsと、描画自体はできているものの快適と言うには物足りない印象だ。
実際のゲームに即したベンチマークソフトでのチェックを実施していく。人気のMMO RPGの最新アップデート版「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークテストでは、描画品質を“最高品質”に設定し、1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類の解像度で計測を実施した。
軽めのMMORPGタイトルということもあり、2つのモード、すべての解像度で最高判定である「非常に快適」を達成。画質設定をすべて適用しても、高いフレームレートでのゲームプレイが可能だろう。とはいえ、フルHD解像度とWQHD解像度のテストでは最小フレームレートが60fpsを割り込まないが、4K解像度ではやや60fpsを下回る場面も出てくる。なお、このベンチマークでもOC Modeで極端な性能アップは見られなかった。
続いて、重量級タイトルとして定評ある「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークスコアをチェックしていこう。描画品質は“高画質”で、解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットの3種類で計測している。
快適さの判定は、フルHD解像度が「快適」、WQHD解像度が「やや快適」、4K解像度が「普通」と、解像度を上げるごとに1段階ずつ評価が下がっていく。WQHD解像度のテストでは、DefaultのスコアがOC Modeのスコアを上回っているが、計測の偏りによってはこうしたことも起こり得る程度の差なので、過度な期待は禁物だ。なお、Radeon RX 5700 XTがWQHD解像度をメインターゲットに据えたGPUであることを考慮すれば、十分満足できる結果が得られている。